そもそも「鳥」は歌うのかという疑問を持ってしまう。もっとも実家でオカメインコを飼っているのだが、歌ったところを見たことがない(人が食べるものをしきりにねだることはあるのだが)。また散歩していく中でハトやカラス、さらにはトンビも歌っている姿を見たことがない。
しかし本書はあくまで鳴き声こそ「歌」に見立てているところがあり、歌によって、他の鳥たちとのやりとりや求愛などの意志を伝えるという役割を持つ。本書はその鳥はどのような気持ちで「歌う」のか、それぞれの鳥を紹介しながら論じている。
第1章「歌う鳥のキモチ<基礎編>」
元々鳥がなぜ「歌う」のかというと、冒頭でも述べたように、求愛の意志というのもあるのだが、相手を捜したり、犬のごとく縄張りを主張したり、さらには餌場を主張したりなど、歌い方によって多岐にわたる。
第2章「歌う鳥のキモチ<応用編>」
本章では応用編として歌い方によっての意志の表し方を、歌のトーンから周波数、さらには歌った後の行動についてのデータを元に表している。第1章は「基礎編」とあるが、あくまで概要で、第2章は「応用編」として実際の観察記録やデータなどが列挙されている。
第3章「歌う鳥の私生活」
とある鳥が繁殖や生活などで渡る。その姿を追った章である。日常の中でどのような歌を行うのか、そして長さ・トーンなど細かい観点で考察を行っている。
第4章「聞く人のココロ」
もちろん歌を歌う鳥もいれば、その歌を聞くのもまた鳥である。その鳥は歌に対してどのように返すのか、聞き分けるのかを取り上げている。
鳥は歌うのだが、そこには鳥自身の「意志表示」である。その歌に対して求めている鳥はどのように返すのかもまた歌に対する対応というのがあり、鳥の生態を知ることができる一手段とも言える。
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