アグリカルチャー4.0の時代 農村DX革命

農業というと、最近のニュースでは良い話を聞くことがほとんどない。農家というと、困窮してしまい、農業を廃業する方々も出てきているという。またここ最近では災害により、収穫も落ちてしまうといったことも目にする。その一方で企業が農業に進出し、「農業のビジネス化」といった動きも見せているのもまた事実としてある。

本書はその中でも「スマート農業」という農業をデジタル的な観点で技術革新を起こし、新しいビジネスとして可能性を示している所もある。農業のこれからの可能性とDX(デジタルトランスフォーメーション)革命について論じているのが本書である。

パートⅠ「ターニングポイントを迎えた日本農業」
元々企業が農業への参入について規制がかかっていたのだが、2000年や2009年に農地法改正に伴い、だんだんと企業が農業への参入を行われるようになってきた。もちろん農業をするには農地と呼ばれる土地を持つ必要があるのだが、その農地を用意に確保できるようになった。
ちなみに農業へ進出している企業というとイオンやローソン、さらにはJR東日本など名だたる企業が進出しているほどである。

また最近では「スマート農業」と呼ばれるようにIoT技術を駆使して農業を行うと行ったこともある。特にドローンや人工衛星などを使ってリモートで管理を行えるようになったと言うのも挙げられるが、農作物の育ち具合といったよく分かるものから、「糖度」や「病害中診断」など感覚でしか分からないようなものまで技術的な管理ができるようになったほどである。
そもそも本書のタイトルには「アグリカルチャー4.0」とあるが、1.0からどうなっているのかというと、

・「アグリカルチャー1.0」・・・生物学と農業土木を中心とした変革
・「アグリカルチャー1.5」・・・ヨーロッパの農業革命
・「アグリカルチャー2.0」・・・農芸化学を中心とした変革
・「アグリカルチャー3.0」・・・機械化を中心とした変革
・「アグリカルチャー3.5」・・・ICTの部分的な活用
・「アグリカルチャー4.0」・・・IoTを中心とした変革(=農業者みなが儲かる農業)
※P.60より

とある。本書のタイトルとなるアグリカルチャー4.0は先述のIoTが大きな鍵となる。

パートⅡ「農村デジタルトランスフォーメーション」
農業機械の技術は進化し、IoTやAI技術によってより効率的に農業を行えるようにまでなるという。それだけでなく、自律的な農業インフラとして災害対策もできるようになり、農家でもある種、畑を耕したり、種を蒔いたりするような重労働は行わず、ある種システム管理者のごとく、一日中パソコンとにらめっこするようなことも名リルという。実際にその農業政策について動いている方々もいるのだという。

日本農業もまた変革の時と言え、農業の世界の中でIoTやAIの技術が参入されることは必ずあり、なおかつ実際に行っている所もある。それは農業に限らず、水産などのいわゆる「第一次産業」と呼ばれる業界共通して言えることなのかもしれない。