ゆるキャラの恐怖 桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活3

ゆるキャラというと、この言葉が定義されてはじめたのは2004年になってからであるのだが(みうらじゅんと扶桑社によって商標登録されたことから)、実際に使われ出したのは2007年からのこと。ひこにゃんによってもたらされた。それから全国津々浦々にてオリジナルのゆるキャラがつくられ、「ゆるキャラまつり」や「ゆるキャラグランプリ」と言った催しまでできてきた。やがてこれが派生し地元に密着した「ご当地キャラ」も出てきた。

本書はとある大学准教授が受験生応援の一環としてゆるキャラのスーツアクターを行うというものである。しかも大学対抗と言うだけあり、一大イベントであるのだが、その審査委員長にはその商標登録を行った人の一人が名を連ねている。しかしその大会で恐ろしい脅迫状が届いたことによって事件に巻き込まれ、謎を解いていくという物語である。

さらには「地下迷宮の幻影」と題してキノコを巡った学内闘争に巻き込まれるというナンセンスな物語である。

両作品ともミステリーではあるのだが、斜め上を行くギャグやナンセンスさが何とも言えない面白さを持っていた。