スイミングスクール

スイミングスクールというと私に取っては縁遠いものだった。小学校の時に友だちが、スイミングスクールに通ったことがあると言うだけで、私自身もどのようなスクールなのか想像すらつかなかった。

私事はさておき、本書はスイミングスクールに通う主人公と母親との家族の姿を取り上げている表題作と、死の淵にいる娘と見守る父親との姿を描いた「短冊流し」の2作品が収録されている一冊である。

「スイミングスクール」はスイミングスクールの描写と言うよりも、通う子どもと母親とのやりとりと家族の悲哀が込められており、一方の「短冊流し」は危篤の娘の周囲にある家族の悲哀が込められている。共通しているのは見ての通り「家族」と「悲哀」であるが、それぞれ違う悲哀が描かれている所に特徴があり、読み終えた後の感覚が何とも言えなかった。

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