昨年の5月1日に、30年以上続いた「平成」の時代が終わり、元号が「令和」に改められた。もう間もなく1年の時を迎える。
そもそも「令和」は、この万葉集から取られており、原文では、
「于時初春『令』月 氣淑風『和』 梅披鏡前之粉 蘭薫珮後之香」(巻五、梅花謌卅二首并序)
から来ている。令和の部分を取っていくと、
「時は初春の『令(よ)』い月で、空気は美しく、風が『和』やかで~」
と訳せる。決して命令の「令」ではなく、和やかでよい時代を築くための「令」を指している。今となっては国難の時代であるので決して「令」いものでなく、緊急事態宣言が発「令」してしまった状況だが。
それはさておき、万葉集は日本最古の和歌集であるのだが、どのような歌がしたためられており、なおかつどのような背景があったのか、万葉集から見たありとあらゆることを紐解いている。
第一章「『万葉集』って、何ですか?」
万葉集が生まれた時期は正確な時期は不明ではあるものの、奈良時代末期とされている。また「万葉集」と名付けられたのも諸説あり、ハッキリとしたことは未だに分かっていないところが多い。しかし「和歌集」であることは確かであり、実に4500首以上の和歌が収められている。しかも天皇を始め貴族から防人、さらには農民に至るまで身分問わずに収録されているところも一つの特徴としてある。
第二章「『万葉集』の出来事」
万葉集に収められている和歌はまさに「様々」と呼ぶに相応しく、四季折々の和歌が込められているのもある。春夏秋冬の風情が本章にて取り上げられている。
第三章「『万葉集』のことばに学ぶ」
万葉集に込められた和歌には、今も通ずる言葉、さらには今となっては廃れながらも、背景は現代に通じているものもある。なおかつ在りし日の「言葉」を学ぶと言うのもまた万葉集の特徴としてあげられる。
第四章「『万葉集』の場所と人」
万葉集にて収録されている和歌には地名も存在している。それを日本地図でなぞらえてみると、東は関東から、西は九州まで幅く存在するが、多くは九州や畿内(現在で言う所の関西)が多く見られるのだという。
「令和」の元号が発表されたときから万葉集に関する注目度が高まったのは事実であり、私がよく通う本屋でも「令和」に因んで万葉集のコーナーが設けられるほどだった。しかし「令和」と言う言葉に限らず、万葉集にある和歌は今の日本そのものを映し出している側面もあるに違いない。
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