TYPE-MOONの軌跡

「TYPE-MOON」と言うブランドを聞くと、それなりに知っている方も多くいる。特に「Fateシリーズ」となれば、その認知はかなり多くなる。元々TYPE-MOONのブランドにて初めてデビューしたのが20年前になるので、今年でちょうど20周年を迎える。そのTYPE-MOONはどのような足跡を辿り、反映していったのか、その道を辿っている。

第一章「TYPE-MOONの始まり―奈須きのこと武内崇」
「TYPE-MOON」の主軸となる2人が本書にて取り上げる武内崇と奈須きのこである。この2人は中学生のころから知り合った。また奈須は小説で武内は漫画を描いていった。

第二章「『月姫』が辿った道」
やがて社会人となり、紆余曲折を経て2人を中心とサークルを立ち上げたのだが、その名前が「竹箒(たけぼうき)」といい、現在も武内・奈須の2人の公式サイトの名前として残っている。それから1999年に武内の同僚であったプログラマーなどが加入し2000年に改めて船出した同人サークルが現在もある「TYPE-MOON」である。そのTYPE-MOONとして初めて世に送り出したのが、同人ゲームの「月姫」である。18禁ゲームではあるのだが、細かい設定が評判を受けシリーズ化されたほどである(アニメでも2003年に「真月譚 月姫」として放映された)。

第三章「「システム」の創造―『Fate/stay night』」
今もなお「Fateシリーズ」にて幅広く展開されているのだが、その原点となるのが、2004年に商業作品としてデビューしたゲームである。当初は18禁のゲームだったが、瞬く間にヒットし、漫画やアニメなどのメディアミックス化にも成功した。現在となっては数多くのスピンオフにも恵まれており、一大ブランドと化していった。

第四章「境界線を切り裂くために―『空の境界』」
「空の境界」のアプローチは前章までの2作品とは異なり、小説から入っていった。元々中学のころから小説を描き続けていった奈須が本編を描き、武内がイラストを描いた伝奇小説(一説には「新伝奇」とも呼ばれる)である。こちらも小説の大ヒットを受けて、劇場アニメや漫

画にまで発展して行った。
第五章「拡大する「Fateシリーズ」と「TYPE-MOONらしさ」」
TYPE-MOONの代表格の一つとしてあげられるのが「Fateシリーズ」である。もっとも「Fate/stay night」のヒットに伴い、物語の前史を扱う「Fate/Zero」や、少しパラレルになってくると「Fate/EXTRA」や「Fate/Apocrypha」、さらには「プリズマ☆イリヤ」など挙げるだけでも枚挙に暇がないほどにある。
さらに言うとTYPE-MOON10周年企画としてTYPE-MOONにて生み出された多くのキャラクターをごちゃ混ぜにして描いた「Carnival Phantasm(カーニバル・ファンタズム)」まで存在する。

第六章「ノベルゲームにおける達成―『魔法使いの夜』」
TYPE-MOONの新作ゲームとして最後に出てくるのが「魔法使いの夜」である。最新作でありながら、元々は奈須きのこのが描いた小説の中でも初期に作られた作品であり、今もなお未完成の作品であり、ゲームとして登場するまでは未発表であった。そのため今回出てきているノベルゲームはその一部分に過ぎないという。本章のタイトルでもあくまで「達成」というだけで、実は「完成」ではないことが分かる。

第七章「スマホゲームの可能性を探る「旅」―『Fate/Grand Order』」
今も人気のある「Fate/Grand Order」はこのようなゲームである。

と上記を見ても分からない方が多いため(闇の部分だけ分かるが)、「Fate/Grand Order(以下:FGO)」はFateシリーズをはじめとした世界に出てきたキャラクターをサーヴァントとして召喚され、戦うというゲームであるのだが、独自の物語を描いており、それを愉しむことができるのも一つの魅力としてある。

今となってはFateシリーズを生み出しているブランドとして挙げられるのだが、その前後にも様々な「伝奇」と呼ばれる作品を多く生み出しており、細かいストーリーが魅力を引き出し、人気を集めてきた。それとともに20年に及ぶ伝奇の旅は今もなお続いており、今日も違う世界線の物語を描き続けている。