小泉進次郎と福田達夫

共に小泉純一郎、福田康夫と首相経験者を父に持つ2人の政治家と政治評論家である著者のインタビューである。政治家としては「若手」の分類に入るのだが、小泉進次郎は言うまでもなく現在は環境大臣や特命担当大臣に就任している。2人は政治家としてどのような道を辿り、何を志しているのか、本書はそのことについて取り上げている。

第1章「政治家一家に生まれて」
小泉進次郎は首相経験者の父から前を辿っていくと、4代にわたって国政に関わっている(曾祖父は小泉又次郎で逓信大臣も歴任し、祖父の小泉純也は防衛庁長官も勤めている。そう考えると4代続いて閣僚に就いたとも言える)。一方の福田達夫もまた父・祖父(福田赳夫)と首相歴任社であり、曾祖父は国政には関わっていないのだが、地方首長を経験しているため、厳密に言うと4代に渡って政治家である、そのため両者とも「政治家一家」ということに偽りはない。

第2章「子どもから見た、首相の孤高」
もしもあなたが「首相」という仕事を任されたのであればどうするか。おそらくほとんどの人は考えたことがないのかもしれない。日本の政治の中核を担うため、どのような日本にするのかという夢を膨らませるのだが、実際は「孤高」と言う言葉が強くつきまとう。その「強く」が肝心で、大勢の人に囲まれ、毎日幾度とない罵声を浴びせ続けられ、それでも難しい判断を求め続ける。普通の神経では到底できないことをこなし続けなければならない、その側面を「子ども」の立場にて明かしている。

第3章「奇縁で結ばれ、農林族に」
2人が関わりを持ち始めたきっかけ、それは「農林族」としての関わりだった。2015年10月に進次郎が自民党農林部会長を任されたことが始まりだった。その後達夫がその農林部会長代理を務めたことで関わりは始まったのだという。

第4章「全農改革をめぐる攻防」
そのため本章以降は農政改革の中における「全農改革」の攻防が出てくる。その全農改革となると、JA全農の構造改革を行うためのせめぎ合いが続くことになる。進次郎と達夫らが攻防を行うのだが、その一部始終を取り上げている。

第5章「全農改革で学んだこと」
全農改革のせめぎ合いの中で揉まれ、学んだことがあるのだという。本章ではそれぞれが学んだこと、印象に残った出来事・言葉を取り上げている。

第6章「若者よ来たれ 農業の変化と未来」
このせめぎ合いを通して、ようやく大きな改革にこぎ着けた。その後は2人ともそれぞれの道を歩み出し、現在に至る。その中で農業における未来と、これからの若者たちへの思いを綴っている。

第7章「二人はどう見られているか」
2人は周囲からどのように見られているのか、周囲から見た目とそれに対しての2人の返答について取り上げている。

第8章「あなたの欠点はここだ」
面と向かっての対談の際には結構聞きづらい質問が「あなたの欠点は?」である。そもそも欠点を見せてしまうと、それにつけ込まれるというハイリスクな回答を求められるため、答えに窮してしまうことが多い。しかし2人はそれに臆することなくさらけ出している。

政治家の中でも「若手」かもしれないが、もはや「若手」と呼ばれなくなり、実際に進次郎は閣僚のポストに就いている。達夫も政務官を務めており、閣僚に就任するに向けてのステップアップを歩んでいるところである。2人は政治家としてどのような道を辿るのか、それは今後のお楽しみといったところかもしれない。