恥をかかないスピーチ力

私に限らず、日本人はスピーチが苦手とある。そもそもスピーチをする土壌はあるにはあるのだが、日本人にある過剰なまでの「恥」への意識がスピーチを鍛えるための阻害をしているように思えてならない。そのため恥を捨てる力、「知力」もとい「恥力」を持つ必要があるのだが、恥を捨てたとしてもダラダラやったり、たどたどしくやってしまうと苦手意識もさらに広がってしまう。

そこで本書である。本書はスピーチをいかにしてマスターし、得意にしていくべきか、その方法を伝授している。

第一章「これだけはマスターしたいスピーチの基本」
スピーチを行うにも「基本」がある。ただ長くスピーチをやるのではなく、時間制限があるとするならば、その時間以内に行うこともまたスピーチの極意としてある。その時間制限としても例えば15秒や1分といった長さを知って、アピールすべきところ、始まりのアプローチや締めのフレーズなどの組み立て方がある。

第二章「スピーチができる身体になる」
スピーチをする際も声や話し方だけではうまく行かない。何よりも立ち振る舞いといった身体におけるスピーチの「姿勢」も大切になってくる。姿勢もあれば声の大きさ、さらにはトーンの緩急、目配りなど様々である。

第三章「スピーチで役に立つ小ネタの集め方」
スピーチをする本筋の他にも、良い印象を持つことができるための小ネタづくりもまた必要の手段である。「何を話せばよいのかわからない」「スピーチをするにもネタが切れてしまった」という方々も多くいる。そのネタを集めるための方法を本章にて取り上げている。

第四章「コメントを求められた時の対処法」
スピーチに対しての「コメント」もまた存在する。そのコメントもまたどのようにして出せば良いのか分からない方々も多くいる。求められた時に「無茶振りだ」と思わずに当意即妙で対処できる方法を本章にて伝授している。

第五章「シーン別 恥をかかないためのスピーチのやり方」
スピーチの方法や組み立て方はTPOによって分かれる。もちろん時間のとり方もまた然りである。本章ではよく使う自己紹介や来賓としての挨拶、結婚式などの式の挨拶から、会議の挨拶・説明、企画のプレゼンなど、ビジネス・プライベート関わらず、細かく伝授されている。

第六章「人前であがらないためのひと工夫」
あがり症の方もいる。かくいう私もその一人である。人前で上がらないようにするとなると手のひらに「人」の文字を書いて飲むと言うことを連想するのだが、これは一時しのぎにしかならない。連続してスピーチをするときにあがらないための事として数をこなす、呼吸をする、ジャンプをする、水を飲むなどの方法を取り上げている。

人によってかもしれないが多かれ少なかれスピーチを行うことは存在する。もちろんスピーチが苦手な方もいる。だからでこそどのようにスピーチをするかと言うよりも、数をこなしつつ、本書の様な基本を取り入れることも大切である。