うつ病に悩む人は数多くおり、その病気が原因で最悪自殺をしてしまう方も少なくない。そうでなくても社会復帰がなかなかうまく行かないという方もいる。会社員として働きながら、人間関係などによるうつ病にかかってしまい、休職をするケースもあるのだが、その休職の現状などについて取り上げている。
第一章「増加するうつ病と「うつ病休職」」
年々うつ病になる方々が増えており、なおかつそれによる休職を行う方も少なくない。その要因としては会社のみならず、社会構造的な要因としてもあり、かかった人の数だけの原因があり、なおかつ複雑に入り組んでいる。
第二章「休職診断書を求める人たち」
うつ病にかかってしまい、仕事ができなくなり、休職を求める方も多くいる。その方々は病院からの証明として「休職診断書」があるのだが、それを求めることが多いのだという。
第三章「うつ病をめぐる企業の困惑」
会社側もうつ病とそれによる休職は悩みの種であり、困惑するケースもある。そこには社内環境がそうさせてしまっている要因を探すこともあるのだが、実際にうつ病になってしまったことによる、法的闘争もあり、それに追われるだけでなく、社会的信用を失う引き金にもなるためである。
第四章「診断の問題」
実際に診断を行う医者もまた悩みの種としてある。その悩みに対してどのように診断を行うか、本章では精神科医の立場から取り上げている。
第五章「精神科医は「うつ病裁判」をこう見る―電通事件と東芝事件」
本章では電通事件・東芝事件といったうつ病を引き金にした裁判の記録から精神科医としての立場から考察を行っている。特に有名どころとしては電通事件であるのだが、労働問題として挙げられるのだが、うつ病も絡んでいることもあり、精神科医としても他人事ではなかった。
第六章「病気か、苦悩か」
「うつ病」は未だに病気なのか、そうでないのかという議論が絶えない。著者はと言うと病気ではなく「苦悩」の一種であると主張しているのだが、その理由についても本章にて説明している。
うつ病にまつわる労働の裁判、いわゆる「労働紛争」は今もなお起こっており、裁判にまで発展するケースも少なくない。精神科医としての立場でもなかなか難しいものがあり、その現状と苦悩が本書にて映し出されていた。
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