「孤独」と言うと「独りぼっち」というようなネガティブな印象を持つのだが、いざ孤独になってみると、自分自身を見直すことができる、あるいは人との関わりによるストレスから解放されると言った効果を得ることができる。本書の著者はと言うと元々三浦朱門との夫婦関係だったのだが、2017年に三浦朱門が逝去し、その後一人である。その一人になった時に思ったことをエッセイにして綴っているのが本書である。
第1章「人生の風景が変わる場所」
「年を取る」とは、老いる、もしくは死に近づくといったネガティブな印象を持たれてしまうのだが、著者に言わせると年を取ることは本章のタイトルにある「風景が変わる」としている。残り少ない人生をいかにして「生きる」のか、そのことを綴っている。
第2章「清々しい心持ちで生きる」
よく「小さな幸せ」と言う言葉を目にする。その小さな幸せを集めることによって、心持ちも良くなり、清々しくなると言う。そうなるために何を行ったら良いのか、本章にて取り上げている。
第3章「人生の醍醐味」
そもそも人生とはどのようなものなのかは誰にも分からない。しかし人生には不確かなことさえも起こり、なおかつ分からないのだから「一寸先は闇」と言う諺の通りである。しかしその「闇」だからでこそ、「何が起こるか分からない」という醍醐味を味わうこともできる。
第4章「「弱さ」という名の強さ」
人間は弱い生き物である。その弱い生き物であることを知ることができる「強さ」を秘めている。その「弱い」事を自覚することの大切さ、そしてその弱さがあるからでこそ、それを補うためにどうするのかを取り上げている。
第5章「孤独の中に宝がある」
孤独になることは冒頭にも書いたようにネガティブな印象を持ってしまうが、自分自身を見つめ直すためにはいったん孤独になることも重要である。とくに人との関わりが多くなっていく中で孤独になることは特に「宝」となり、人生を棚卸ししたり、自分自身とはどのような人間なのかを深く問い詰めたりすることができる。
伴侶が先立たれたが、それを「不幸」と思わず、むしろ「特権」としている所が著者らしい。しかし孤独になっただからでこそ、晩年になった時代に今の自分を見直すことができる所から本書のタイトルを見出したのかもしれない。
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