植物はおいしい

私たちの食の中でも「植物」を食することは日常茶飯事である。肉類中心になる方もいるかもしれないのだが、多くはバランス良く、あるいは肉食を避けて植物だけを食べるといういわゆる「ヴィーガン」もいるほどである。

その植物には四季折々のものがあり、それぞれの良さがあり、なおかつその分だけの料理も存在する。その植物の「おいしさ」を春夏秋冬の季節もあり、なおかつ日本ならではの所から万病予防といった所まで言及しているのが本書である。

第一章「夏に話題の植物」
夏というと、色々な野菜を連想する。また暑い時期であるため「夏バテ」にも気をつけたいところだが、特に猛暑が続く季節になるとどうしてもバテてしまい、食が進まなくなってしまう。それを避けるために夏野菜がある。特に夏野菜には夏バテに最適な栄養素がたくさんあるため、食すことで夏バテを和らげることができる。

第二章「秋に話題の植物」
秋ならではの野菜もある。本章で代表として取り上げているのがサツマイモ。サツマイモの効果と傾向について取り上げているだけでなく、なぜ「実りの秋」の象徴なのかも言及している。

第三章「冬に話題の植物」
冬になると鍋やみかんの季節になる。前者の鍋だと鍋料理にも種類があるのだが、よく出てくるのが「白菜」である。その白菜と鍋の関係と、白菜を買う人であれば見たことのある「黒い斑点」の正体、さらには冬のみかんの代表格でもある「温州みかん」のことについても取り上げている。

第四章「春に話題の植物」
春野菜となると、いくつかあるのだが、本章ではあえてゴボウやニラ、そして果物としてビワが取り上げられている。なぜこういった野菜が取り上げているのかも併せて説明している。

第五章「おコメの戦国時代」
コメというと全国的にも生産されているのだが、特に有名どころでは東北や新潟といった北のところにある。北海道も一大生産地でいまとなってはブランド米も多く生産しているが、かつては「やっかいどう米」「鳥またぎ米」と呼ばれ品質が悪く、忌み嫌われていた時期もあった。

第六章「新品種で話題の植物たち」
植物にも品種があり、ここ最近では野菜などの品種改良が繰り返し行われていることから新しい品種が続々と生まれている。中にはブランドにもなるほどの価値のある品種まで生まれているのだが、その新しい品種が生まれたことによりどのような変化があるのかを取り上げている。
第七章「香りが話題の植物」
植物の品種改良によって生産される野菜の美味しさも増してくるのだが、その一方で香りが話題となるものもある。特に「ワサビ」はあのツーンとした辛さもあるのだが、他にも「香り」が思いも寄らない効果を見出す。またタマネギも品種改良によって調理しやすくなることも発生しているという。

第八章「認知症を予防する植物たち」
認知症の治療や予防についての進歩は進んでいる。本章では植物からできているものとしてビールやワイン、緑茶といった飲み物から、意外なおつまみまで予防できることを取り上げている。予防策のために晩酌をしようとすすめられているような感覚だった。

野菜をはじめとした植物にもヴァリエーションが広がり始め、さらに同じ種類の野菜でも品種も多岐にわたって出てきているため奥が深い。もちろん医学的にも良い効果をもたらすために、健康的においしく植物をいただける、ありがたい一冊である。