人間は年を取っていくと、ありとあらゆる所が老化する。その老化について、本書では「脳」における老化の傾向について脳科学の立場から取り上げている。
第1章「脳と記憶」
本書にて重点的に取り上げられているのが、記憶を司る「海馬」と呼ばれる部分である。例外なく老化により衰えるのだが、その衰え方によってはアルツハイマー病や認知症と言ったものを引き起こす要因にもなる。そのため本章ではまず基礎編として脳の機能と記憶との関連性を海馬を中心にして取り上げている。
第2章「海馬の老化と認知症」
具体的に海馬の老化はどのようにして起こるのか、そして認知症との関連性はどこにあるのか、そのことについて取り上げている。
第3章「アルツハイマー病」
アルツハイマー病についてはこれまでいくつかの本にて取り上げてきた中で言及してきている。もっともアルツハイマー病の原因については様々であるが、神経細胞ネットワークの破壊の傾向がある。また治療法についても薬による治療法はあるのだが、現時点で確実な治療法は見つかっていない。
第4章「海馬の活性を維持するには」
海馬を始め、脳の動きの活発さを維持するためには衣食住などの生活面の見直しが不可欠である。特に海馬にとって活性を維持していける「衣食住」とはどのようなものなのかについて本章にて取り上げている。
第5章「睡眠と脳」
脳の活動を維持するためには「睡眠」は不可欠である。睡眠を重要視して意識しているか、それとも逆に蔑ろにしてしまい、短眠で終わってしまうかによって、後々の脳の衰えが明らかになってくると言う。もちろんショートスリーパーなど、人によって短眠でも十分な脳の活動ができる人も言えるため一概には言えない。
第6章「海馬の老化を防ぐ食事」
海馬を含めた脳の活動を活発化、あるいは維持するためには食事にも気を配る必要がある。記憶力などの脳に良いとされるものとしてDHAやEPAといったものが挙げられるのだが、本章ではもっと根本的にタンパク質や炭水化物のとり方などにフォーカスを当てている。
第7章「脳の死と人の死」
人の死というと、「脳死」と言ったものがよく言われている。しかしながらその脳死がなぜ人の死につながっていくのか、そのことについて取り上げている。
脳と老化は切っても切れないものである。もっとも老化というと身体はもちろんのこと脳の動きについても同じ事が言える。またその脳の動きによって感情を抑えることが難しくなることもまた、一つの「老化」と言える。本書は脳科学の立場から傾向を取り上げていたのだが、根本的な予防などの対策も言及されているところもあった。
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