昨年のラグビーワールドカップは大いに盛り上がった。日本代表としても初めて決勝トーナメントに進出し、1回戦で南アフリカに敗れはしたものの、日本におけるラグビー界において大きな躍進を証明づけたと言っても過言ではない。それに限らず、ラグビーへの認知も急速に高まり、かつ本書のタイトルにある「ONE TEAM」は2019年の流行語大賞にも選ばれた。
本書はこのラグビーにおける「スクラム」をどのようなもので、なおかつ日本代表における「スクラム」はどのように変わっていったのかを取り上げている。ちなみに本書のサブタイトルに「増補改訂版『スクラム』」は2006年に光文社新書にて出版された「スクラム 駆け引きと勝負の謎を解く」の増補版である。
第1部「シン・スクラム論」
増補版としているのだが、実際の増補版は第2部であり、第1部は完全な新作である。ここでは昨年の日本代表における活躍をもとにして、スクラムはどのように進化して行ったのか、そのことについて取り上げている。
第2部「スクラム 駆け引きと勝負の謎を解く」
本章が2006年に出版された本の内容を一部加筆し「増補版」としている。本書が出版された当時は2007年にてフランスにて行われたワールドカップに向けてのスクラムを取り上げている。当時のヘッドコーチは元オールブラックスのジョン・カーワンであり、日本のラグビー界が大きく発展するチャンスという意味合いも大きかった。また日本代表のみならず、大学・実業団のスクラムの進化も取り上げている。
昨年の大躍進もあり、なおかつワールドカップが日本で開催されたことにより、ラグビーの試合も頻繁に放送されるようになった。これから日本のラグビーはどのように変わっていくのか、本書はスクラムなどの技術的な所を中心としているが、その進化もまた楽しみとしてある。
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