登山者ための法律入門 山の法的トラブルを回避する 加害者・被害者にならないために

私は登山はやったことがない。しかし登山愛好家たちは少なからずおり、登山のロマンを知ることができるという。ただ、今年は新型コロナウイルスの影響による緊急事態宣言により、登山自体を自粛するよう働きかける自治体もあったが、解除後もその影響は消えず、今年の夏山シーズンは全ての山で登山道・施設が閉鎖され、山開きが行われないこととなった。そのため本書は来年に向けて、と言った方良いかもしれない。

本書はその登山を行う際に、どのような法律があるか、登山についてのリスクと、それにまつわる責任はどこにあるのかを取り上げている。

Ⅰ.「登山の規制」
登山には自由と規制がせめぎ合っているという。もっとも登山を行う際の「規制」と言うと法律にあるのかと言うと、あるにはあるのだが、専ら地方自治体によってつくられる「条例」といったものが多い。では「法律」における規制があるのかと言うと、一例として山道の中には「私有地」がある。それをみだりに通ると「不法侵入罪」により罰せられるといったケース、さらには災害などにより警戒区域に指定された場合はみだりに侵入すると罰せられるといったものがある。
他にも登山の規制のみならず、登山におけるルールやマナーに関しても法律と言うよりも条例などで挙げられており、特に登山を行う際にある「登山届の提出」を義務づけている地域もある。

Ⅱ.「山岳事故の責任」
もっとも「登山届の提出」を義務づけている所もあれば、義務ではないものの積極的に行うと言ったこともある。それはなぜかというと本章で紹介する「山岳事故」が絡んでいる。山岳事故が起こった際の救急の連絡はもちろんのこと、責任の所在などを明らかにすると言ったこと挙げられる。本章では「山岳事故」のケースはどのようなものがあるか、それぞれのケースをもとに責任の所在がどこになるのかについて取り上げている。

Ⅲ.「登山のリスクとどのように付き合うか」
登山は自然も含めて様々な「リスク」が生じる。そのリスクに対してどのように付き合っていけば良いのか、保険や法律なども絡めて取り上げている。

登山は自由な印象はあるのだが、実際は法律や条令なども含めて様々な規制をもとにして成り立っている。それは権利と言うよりも、むしろ安全に登山を楽しめるようにという意味合いも込められている。安全あってこその登山があるため、本書は登山を行っている、あるいはこれから行う方々であれば目を通しておくと良い。

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