「SDGs」と言う言葉が企業・個人問わずに多く上がっているような印象がある。特に巷の広告でも「SDGs」のどちらかに準じている、と言うようなものもよく目にする。ちなみに「SDGs」は「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」であり、17のグローバル目標がある。もっと細かく行くと達成基準は全部で169個ある。ちなみに定められたのは2015年の国連総会であり、全世界で行われている。
この「SDGs」の動きは企業にもあり、企業の取り組みとして「SDGs」の内、どの活動を行うのか、と言うようなことを提示し、実際に動いている企業もある。本書は「SDGs」を経営としてどのように導入し、実行に移していくか、そのことについて取り上げている。
第1章「SDGs経営とは」
なぜ「SDGs」を企業で取り入れる必要があるのか、ビジネスチャンスはもちろんであるのだが、他にも「CSR:企業の社会的責任」の一環として行われる側面もある。もっとも「企業は社会の公器」と松下幸之助やドラッカーも提示している。企業というと利益を出すことが大きく求められるが、その両輪として「社会貢献」も一つとしてあげられる。「社会貢献」や「社会的責任」をどのようにしていくかについて「SDGs」として定める企業も多くある。
第2章「ESG/SDGsのイロハ」
「ESG」とは、
「環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の略語である」(p.58より)
とあるのだが、元々は「責任投資原則(PRI:Principles for Responsible Investment)」における意思決定プロセスとして「ESG課題(「ESG投資」ともいう)」がある。その「ESG」がまさに先述の3つ単語の略語として成り立っている。こちらは2006年に定められたものであり、むしろ「投資」の世界において行われている。投資と経営というとお互いに異なるように見えて、実は補完関係にあり、「ESG」と「SDGs」の両方もまた補完関係にある。他にも本章では、2つの用語の他にも「CSR」や「ISO(国際標準化機構)」、そして「CSV(共通価値の創造)」との関連性を紐解いている。
第3章「SDGsとトップの役割・戦略・技術」
会社で言う所のトップは経営者を表していることが多くある。経営者は「SDGs」に対して、経営計画から、取引先など関係者との関係の構築、さらには技術革新や経営倫理などあらゆる面で考えていく必要ある。
第4章「SDGsの事例・業界ごとの特徴・地方創生ビジネス」
実際に「SDGs」を導入した会社・団体も数多くある。どのように導入し、実行に移しているのか、各業界に分けて紹介している。
第5章「SDGsの海外事例と五輪・万博」
本章も事例であるが、前章は日本の企業や団体に対し、本章は海外の企業などを引き合いに出している。SDGsを経営で当てはめていくためにはどうするか、日本と海外とで差がある。
第6章「SDGsの経営への導入プロセス」
SDGsを経営としてどのように導入すべきかを取り上げているが、第2章でも取り上げているように、SDGsだけでなく、CSRやESG、CSVなども視野にいれて構築する必要がある。また事業の中でSDGsの中では何に活かせるのか、そして導入後の実行と成果がどのように見ていけば良いのか、策定から形にしていく事も必要になってくる。
世界的にも開発面で成し遂げる必要がある指標としてSDGsがある。本書はあくまで「企業」にフォーカスを当てている。もし自身の企業がSDGsに導入するのであれば、本書をもとにして考えていくと良い。
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