茶屋四郎次郎という名は戦国時代から江戸時代にかけて3人存在した。戦国時代において活躍した方が初代、関ヶ原の戦いで活躍した方が二代目、江戸時代において特権商人として巨万の富を得た三代目といる。
ちなみに本書で取り上げている「茶屋四郎次郎」は初代であり、戦国時代において徳川家に仕えながら活躍を遂げてきた後に、呉服商に転身したエピソードを描いている。ちょうど本能寺の変に伴って国同士の戦いが激化していくなかでの様子を描いており、茶屋四郎次郎ならではのポジションがいかに重要だったのかを知ることができる。
もちろん小説のため創作の部分はあるのだが、あまり知られていない茶屋四郎次郎の存在を知るに十分の作品である。徳川家康を中心としたドラマの配役の中にもいくつか存在するのだが、茶屋四郎次郎をピックアップした時代小説は珍しい。
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諏訪宗篤 朝日新聞出版 2018年02月07日頃
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