サンライズパブリッシング様より献本御礼。
「アセットアロケーション」とは、
資産を複数の異なる運用対象(預金・国内外株式・国内外債券など)に配分すること。また,その配分比率。資産配分「大辞林 第四版」より
とある。元々著者も長らく主張していた「長期分散投資」があるのだが、それを発展した形の投資法である。本書はそのアセットアロケーション革命における資産運用の方法と実践について取り上げている。
第1章「お金との正しい付き合い方を知る」
よく収入が少なくなったと言われるのだが、もっともお金とのつき合い方によって変わってくる。著者も、
自分が働いて得られる「収入格差」よりも、お金に働いてもらうことによって得られる「運用格差」のほうが大きくなっています。p.24より
とあるように、「お金に働いてもらう」という意識を持つことから始まる。お金を殖やす上で、どのような資産運用を行ったら良いか、そこに「アセットアロケーション」がある。
第2章「資産運用はリスクとリターンから考える」
「アセットアロケーション」は株式や債券、投資信託ばかりでなく、預金も含めた配分も行い、リスクをいかにヘッジ(分散)を行っていくかにかかる。投資の世界は預金も含めてどこも「リスク」はつきものである。そのリスクとリターンをいかにしていくかの考えるポイントを伝授している。
第3章「金融資産を活用した資産運用」
投資信託や株、債券な金融資産は様々であるが、各々のメリット・リスクを踏まえつつ、どのような資産運用を行った方が良いのか具体的に取り上げている。
第4章「実物資産を活用した資産運用」
「実物」と言っても色々とあるのだが、最も連想するのが「不動産投資」である。しかし「実物資産」は他にも金・プラチナなどの「貴金属」からコイン、ワイン、アートなど多岐にわたる。特に不動産投資については資金調達から、国内外の投資の在り方について詳細が取り上げており、また他の実物についても投資のみならず、保管コストの面にも目を向ける必要がある。
第5章「資産運用における税金のポイント」
資産運用を行っていく上で「税金」は常につきまとう。金融資産それぞれに「税金」はどのようにかかってくるのかが変わってくる。特にアセットアロケーションは多くの種類の資産を配分していくことになるため、税がいかにして発生していくかを理解しておく必要がある。そのための章である。
第6章「アセットアロケーションでお金の不安を解消する」
アセットアロケーションは多くの資産に運用を配分するため、リスクなどをヘッジすることができるほかに、最適なアセットアロケーションを行うために改善を重ねることができる。運用はどのようになっていくのかを「モニタリング」した上で、配分を直す「リバランス」を行うことができるため「最適解」を常に行うことができる。
アセットアロケーションは最適解が、それぞれに合ったものにできる。もっと言うと、リスクをいかに許容するか、投資の目的は何かを明確にしておきながら、どのように投資を「コントロール」していくかもカギとなる。お金は有限である一方で、殖やし方は多岐にわたる。だからでこそ、お金の勉強が必要であり、殖やす一手段としてアセットアロケーションがある。
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