動物は数え切れないほどの種類があり、中には人では想像もし得ないような要素がある。本書で紹介するウニやバッタをはじめとした動物には、想像し得ない「すごい」特性があるのだという。その特性とはいったいどこにあるのか、デザインの観点から取り上げている。
第1章「サンゴ礁と共生の世界―刺胞動物門」
「刺胞」動物と呼ばれるものとしてサンゴもあれば、有名どころとしてはクラゲがいる。クラゲの中には攻撃的な行動として触手のような所で針の様なものが刺され、中には毒を持っており、害を及ぼすこともある。その「針」自体が突き刺すための糸である「刺糸(しし)」と呼ばれるものがあるという。
第2章「昆虫大成功の秘密―節足動物門」
昆虫の多くは「節足動物」と呼ばれる種類である。なぜ「節足」が成り立つのか、そのメカニズムについて取り上げている。
第3章「貝はなぜラセンなのか―軟体動物門」
貝にも種類があるのだが、本章で取り上げる貝のうち、ツブやサザエといった種類の貝殻が確かに本章のタイトルにあるように「ラセン」である。しかし「ラセン」であるのはそれだけではなく、貝殻の中身もまた「ラセン」であるという。なぜ「ラセン」なのか、そのメカニズムをデザインと共に追っている。
第4章「ヒトデはなぜ星形か―棘皮動物門1」
棘皮(きょくひ)動物を見てみると、実に種類が多く、本章と次章とで分かれている。本章ではヒトデとウニの2種類の特徴を取り上げている。ヒトデというと星形であることが特徴だが、その星形の中に「棘皮」なるものが存在しており、どのような役割を持っているのかを取り上げている。またウニについてもある意味針のような外殻を持っているのだが、その役割もまた取り上げている。
第5章「ナマコ天国―棘皮動物門2」
おそらく棘皮動物の中でもっとも好き嫌いがハッキリと分かれるのが「ナマコ」である。イザ触ってみると、ぬめりとした表面感覚を覚えたり、あるいは軟体であるため、気持ち悪い弾力を覚える方もいる。しかし、表面にしても中身にしても、なかなか知られていないのだが、どのような器官があり、なおかつぬめりとした感覚の謎についても取り上げている。
第6章「ホヤと群体生活―脊索動物門」
ホヤというと独特の匂いがある食べものとして知られているが、いったいどのような生物なのかという事を知っておく必要がある。ホヤは群体で生活を送っているのだが、なぜ群体になる必要があるのか、そこにはホヤならではの特徴がそうさせているという。
第7章「四肢動物と陸上の生活―脊椎動物亜門」
私たちヒトのように四肢を持っている動物の器官はどのようにあり、陸上の中でどのような生活を送ることができるのか、そのことについて取り上げている。
本書は大きく7つの項目でもってどのような生活を送り、なおかつ器官があるのかを取り上げている。もっともデザインにおける生物学であるため、器官などが図面でふんだんに盛り込まれており、生物の神秘の片鱗を見ることができる。生物を知る奥深さがここにある一冊と言える。
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