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2020年10月

愛が嫌い

「愛」と言う言葉を好いている人もいれば、本書の登場人物に出てくる人のように嫌いな人もいる。それは人それぞれと言った方が良いのかもしれない。 本書は愛を憎むと言うよりも、軽んじた「愛」を嫌い、自分自身の日常を取り戻すと言った物語である。その中には大人になれていない人々がおり、自分自身を見つけ、つくっていくためにもがき苦しんでいる姿がここにあった。 また本書はあと2編あり、「しずけさ」と「生きるからだ […]

サリン事件死刑囚 中川智正との対話

本書の著者は毒性学や化学兵器などの専門家である一方で、オウム真理教に関する一連の事件においてサリンの分析方法や、本書で取り上げる中川智正元死刑囚の面会も行っていた。2018年7月6日に死刑が執行された。その執行されたわずか1ヶ月足らずに本書が出版された。松本サリン事件や地下鉄サリン事件などの一連のサリン事件、そいて化学兵器・生物兵器製造の実態と、亡くなるまでの間の日々について面会や、事件の捜査を通 […]

臆病な詩人、街へ出る。

中学の時代から詩を始め、高校になった頃には現代詩の中でも権威ある賞の一つである「中原中也賞」を受賞するなど、賞を総なめにしてきた。そのため「早熟の天才」と言われるようにまでなった。 しかし大学へ進んだ後は著者自身「冴えない女」と自称するようになった。なぜ「冴えない」と自称したのか、そこには、 就活経験ゼロ、恋愛経験も未熟。残されていたのは、世間知らずで平凡な「冴えない女」だったp.3より とある。 […]

マックス・ヴェーバー――主体的人間の悲喜劇

昨日取り上げた評伝は生涯をもとにした合理性や官僚制が中心となったのだが、本日取り上げる本書は評伝の中でもサブタイトルにある「主体的人間」といった所が中心となる。またもう一つの要素としては「闘争」と言ったものが挙げられる。「主体的人間」と「闘争」、この2つの要素は生涯の中でどのようにして形成付けていったのか、本書は生涯をもとにして追っている。 第一章「主体的人間への成長 一八六四‐一八九二年」 ヴェ […]

マックス・ウェーバー-近代と格闘した思想家

社会学、資本主義、政治思想など、ありとあらゆる学問にて「合理性」を始め、画期的な学説を発表し、なおかつ「職業としての学問」や「職業としての政治」など多くの著書を上梓してきたマックス・ヴェーバー(マックス・ウェーバー)が没してからちょうど100年である。 このウェーバーの思想は大東亜戦争後の日本でも丸山眞男を始め、多くの社会学者に影響を及ぼしたことは言うまでもない。このマックス・ウェーバーの生涯につ […]

競馬も「自然」との闘いだ スポーツx気象の分析

サンライズパブリッシング様より献本御礼。 競馬にしても、屋外スポーツにしても、「天気」と言う概念は切っても切れないものである。よくスポーツで言う所の「コンディション」と言う言葉があるが、その一つが雨や風といった天候がある。その天候は自身ではコントロールできず、読み抜き、どう戦うかとといった判断を行い、変化を行うことが大切である。その天候と試合について本書ではスポーツと競馬、両方の観点から取り上げて […]

象牛

洗剤などの注意書きには特に塩素系や酸性のもので「混ぜるな危険」と言う言葉がある。これは2つのものを混ぜてしまうと塩素系ガスが出て命に関わる事になってしまうことを注意してのことである。 しかしここ最近ネットでは異なる、というよりも相容れぬ2つの要素を混ぜ合わせることでの「混ぜるな危険」と言う言葉がある。混ぜてしまうと「その発想はしてはいけなかった」という自責の念に駆られて、心身に関わる。 与太話はさ […]

共感SNS 丸く尖る発信で仕事を創る

私自身「蔵前トラック」からブログを始めたのは2006年、書評を始めたのが2007年のことである。そしてSNSを始めたのはTwitterは2009年、Facebookは2010年といった状況で、考えてみると長い。使い始めた当初はよく使っており、書評仲間との交流を始め、知り合いとのコミュニケーションなどで使っていた。しかしいつの頃からか、書評や自分の仕事で集中するようになってしまい、SNSもブログの更 […]

皆川博子随筆精華 書物の森を旅して

私事ではあるのだが、私自身が書評を始めたのは2007年のことである。それから13年もの間、多くの本と出会うこととなった。数え切れないのだが、書評を行っただけでももう5千冊を超えている。本という書物に迷いながらも旅を続け、今に至っているのだが、この旅はまだまだ終わらない、もっと言うと一生終わらないかもしれない。 私事はここまでにしておき、本書は1970年代から約50年もの間文壇で活躍した皆川博子氏が […]

まだ間に合う! 定年までに複数収入をつくる「お金革命」

2019年に金融庁が報告書にて95歳まで生きる夫婦にて2千万円の金融資産の取り崩しが必要になるというニュースが報道され、波紋を呼んだ。2千万円の蓄えが必要であるというのだから、どのようにして蓄えていくべきかという、議論がされ、書籍もその方法について取り上げられ、当ブログでもいくつかの本を提示したことがある。 本書もその一つであるのだが、あくまで本書は定年後でも働くことを前提にして、どのようにして集 […]