私事ではあるのだが、私自身が書評を始めたのは2007年のことである。それから13年もの間、多くの本と出会うこととなった。数え切れないのだが、書評を行っただけでももう5千冊を超えている。本という書物に迷いながらも旅を続け、今に至っているのだが、この旅はまだまだ終わらない、もっと言うと一生終わらないかもしれない。
私事はここまでにしておき、本書は1970年代から約50年もの間文壇で活躍した皆川博子氏が敬愛する作家のこと、処女作から今までに至る著書の歴史、そして印象に残った本から歌舞伎に至るまでのことをエッセイとしてしたためた一冊である。
なお本書は今から20~30年前から現在に至るまで著者が書き残したエッセイを再評価をもとにしたアンソロジーとして編纂されたミステリー・SF研究家の日下三蔵氏が編纂している。
皆川博子氏と言えばミステリーの側面もあるが、ほとんどは幻想やSFといった作品が多くあり、皆川氏独自のタッチはエッセイでも発揮していることがよくわかる。
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