65歳医師がなぜ開業できるのか? 埼玉県は日本一の医療過疎地

「挑戦するのに年齢はいらない」と言う言葉があるのだが、挑戦するものによっては年齢制限のあるものもあるかもしれない。もしくは年齢制限こそはないものの、体力・精神面で若い内に行わなければならないようなものもあるため、実質的に「制限」があるのかもしれない。しかし本書は「開業医」であり、元々自治医科大学で勤務していたこともあり、その経験などもあるため「ゼロからのスタート」とは言えない。とはいえなぜ開業医をしたのか、そして著者が開業医としている埼玉県の医療はどのような状況なのか。本書はそのことについて取り上げている。

第1章「埼玉県東部の交通事情」

著者が開業医を行っているのは埼玉県久喜市である。本章では医療と言うよりも久喜市はどのような市か、という所を交通事情をもとにして取り上げている。

第2章「65歳を過ぎても医師として働ける訳」

医師の世界でも高齢化しているのだが、そもそも65歳以上どころか70代以上の医者も存在しており、厚生労働省の調べでは(2018年現在)、70代の医師数は 30,403人もおり、60代にいたっては53,016人もいる(「平成30年(2018年)医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」より)。よくある企業でもかつては60歳で定年を迎えるのだが、今となっては65歳、あるいは70歳、他にも定年自体を設けていない所もある。

第3章「65歳を過ぎても開業できる理由」

開業医として病院を開業するにはどうしたらよいかを取り上げてるのだが、医者の開業自体は支援体制や手引きがあるなど、サポート面はけっこうしっかりしているところがある。もちろんリスクはあるのだが、他の業種と比べても開業しやすい部分がある。

第4章「埼玉県の医療レベルは全国最下位?」

「医師不足」と言う言葉があるのだが、実を言うと、医師自体が「遍在」している所にあるという。特に埼玉にいたってはその「遍在」が深刻であると著者は主張している。

第5章「埼玉県東部の医療はもっと低レベル?」

本章で言うところの医療におけるレベルはというと、周辺地域における病院の数や、入院などにおける「病床数」が基準となる。著者が開業医をしている久喜市における医療の現状を取り上げている。

ちなみに本書が出版されるときはまだ起業を行う準備段階だったのだが、現在はイトーヨーカドー久喜店内に「久喜リウマチクリニック」を開業し、現在に至っている。医療自体はインフラの側面もあるため、医師を増やすなども動きを見せている一方で、地域的に不足や遍在している現状もある。その理由から開業したとしている。