なぜ女はメルカリに、男はヤフオクに惹かれるのか?

ここ最近メルカリなどのフリマサイトについては悪い意味で目立っている。それはせっかくの限定品、話題となった品だったにもかかわらず、フリマサイトで転売して荒稼ぎしようとしている人がおり、そのことによって悪い意味で取り上げられる。また少し前にはマスクや消毒液が品薄となり、高額の転売が相次ぎ、法整備を行った出来事もあった。

本書はフリマサイトを賛美すると言うのではなく、マーケティングの面で「なぜ支持されるのか?」という疑問について答えている。

第1章「なぜ女はメルカリに、男はヤフオクに惹かれるのか?」

ちなみに私はメルカリを始め、フリマサイトで買い物などを行った経験は無い。もっとも欲しいものが無かったと言うよりも購買にまつわるトラブルが出てくることなどで及び腰になっている。現にとある声優・俳優ではその被害を受けている事例も存在する。

それはさておき、本書のタイトルになっている理由として生物学的な要素があるのだという。その生物学的な要素が、メルカリ・ヤフオクそれぞれに備わっており二分している野田という。

第2章「なぜほは日本人の心をつかんだのか?」

元々LINEが生まれたのは2011年であり、来年で10周年を迎える。出てきた当初はそれほどでもなかったが、翌年の2012年以降、急速に普及し、今となっては日本人誰しもが持っているアプリにまで成長していった。その要因としては「革新」と「購買心理」といった所が絡んでくる。

第3章「なぜスタディサプリは月980円という破格なのか?」

LINEと同じく2011年にリクルートにて生まれたのが「スタディサプリ」である。元々は会員制の無料サイトだったのだが、大手予備校も参入し、講義セットが5000円で販売された。しかしながら、購入者は芳しくなく、会員となっていた高校生の指摘により、月980円のサービスに変化していった。そこからスタディサプリが人気を集めるようになった。会員にとってもいつでも学べるというツールにもなる一方で、提供する側もマーケティングにおけるデータを収集することができ、それが「ビッグデータ」となり、大きなマーケティングの材料にもなる。

第4章「なぜオイシックスはママたちに支持されるのか?」

よく商売の世界では顧客満足(Customer Satisfaction:CS)という言葉が言われるようになったのだが、ここ最近では「顧客体験(Customer eXperience:CX)」という言葉もメディアで出てくるようになった。

本章はその追及を行っている代表格としてママたちに支持されている「オイシックス(Oisix)」とよばるサイトについて取り上げている。使っている方であればわかるのだが、ミールキットと呼ばれる料理の材料キットの販売であり、特に「働くママ」の方々に人気を集めている。食材を購入する面倒さと併せて料理を考える面倒さを省きながら、美味しい料理をつくる事ができる「体験」を持ったことが要因とも言える。

第5章「なぜエアークローゼットには返却期限がないのか?」

恥ずかしながら、本書で取り上げている会社やブランドの中で唯一本章で取り上げる「エアークローゼット」は初めて目にした。何かというと「airCloset」という普段着のレンタルサービスがあり、定額制であるという。第3章の「スタディサプリ」などのサブスクリプションと呼ばれるサービスである。女性に人気であり、なおかつ「返却期限なし」である。「airCloset」に限らず、バッグやスーツなど、定額ではできないようなものも、サブスクリプションを行っている。その要因としてはどこにあるのかも併せて取り上げている。

第6章「なぜエバラの「プチッと鍋」はヒットしたのか?」

そろそろ冬のシーズンである。毎年冬になると鍋を楽しむようになるのだが、もちろん独り暮らしであるため、一人鍋を行う。本章で取り上げるエバラ食品の「プチッと鍋」は私自身もけっこうお世話になっているほどである。ちなみにこの「プチッと鍋」は一人鍋を楽しむためにつくられたものである。鍋というと多くの人がつつくものとして言われていた概念を崩す要素もあり、ここ最近では新型コロナウイルスの影響により、大皿など皆で食べものをつつく風潮が忌避される中、台風の目ともなるかもしれない。

新しい概念は商品、さらにはサービスには今まであるものを覆す、あるいは概念から少し変えて提供するといったものがある。新しい概念が広がりを見せることによって新たなビジネスチャンスを生み出すことができる。特にここ最近では新型コロナウイルスの影響で生活様式も大きく変わることから本書のようなマーケティングの変化が生まれる可能性は大いにありうる。

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