人類が誕生したのは約400万年前、アウストラロピテクスが出現したときに始まる。そこから人類としての進化が始まり、ジャワ原人、北京原人などの原人から、今のようなホモ・サピエンスになっていった。その人類の進化について、特にアジアの観点からどのような進化を遂げていったのか、本書ではそのことについて取り上げている。
第1章「人類進化を俯瞰する」
人類の進化を大きく分けると4つに分類される。「猿人」「原人」「旧人」、そして「新人(ホモ・サピエンス)」である。この4つの分類をもとにして、どのような歴史を辿っていったのかを本章にて取り上げている。
第2章「ジャワ原人をめぐる冒険」
ジャワ原人の源流を求めた冒険について取り上げているが、ここではインドネシアに赴いた所で、ジャワ原人のルーツ、及び発掘地点にまつわる作業と研究と、それらにまつわるエピソードを綴っている。
第3章「ジャワ原人を科学する現場」
ジャワ原人がいついたのかに関する研究を行っていくなかで、科学的な考察を行うことも必要である。それは発掘した骨などの標本が推定で何年前のものかといたものから、ジャワ原人はどのような体型なのかをCTスキャンしたり、3Dでモデリングしたりするなどでどのような人種かを解明する研究手法もある。
第4章「フローレス原人の衝撃」
「フローレス原人(ホモ・フローレシエンシス)」は、2003年、インドネシアのフローレス島にてこれまでなかった原人の骨と洞穴を発見し、解明したことから名付けられた。どれくらい前の原人化についてはまだ議論の余地はあるのだが、最古で19万年前~1万2千年前までいたとも言われている。ただ、これは原人としてカウントされるのかどうかについては未だに議論されている。というのは脳の大きさが異常に小さいこと、そして身体的にも小さいと言われている所にあるのだという。
第5章「ソア盆地での大発見」
ソア盆地と呼ばれる場所でも化石が大量に発掘されたという。その化石はヒトはもちろん事、ジャイアントラットやゾウ、さらにはドラゴンに至るまで発見したという。また、ヒトの骨についてもすい愛知で10万年前のものが出てきており、新たな人種があった形跡があったと言うことで「大発見」と形容している。
第6章「台湾の海底から」
台湾の海底にもヒトの骨があったという。しかもその骨はよくある化石とは異なり、特徴的なところが残っているのだという。その発見についてアジアにおける人類進化は動であったのかを述べているのだが、まだ謎が多いのだという。
人類の進化についてはまだまだ解明されていないところが多く、また発掘作業も行われており、その度に新しい骨が出てきては、新しい古代の人種も出てくる。そのため、人類の進化自体は解明されているだけでわかりやすく記されているのだが、その実は多岐にわたり、かつ本当にその人種がいたのかという議論が絶えないものであることがよくわかる。
我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち
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