私のことならほっといて

本書の表紙を見て「ほっといて」と言われたらどうするか。文字通り放っておくのか、それとも、キレイな女だから助けるといった意見もあるのかもしれない。ある意味ナンセンスの光景から「ほっといて」と言われると、どうしたらよいのかわからない、どう突っ込めばよいのかわからない、といった思念も持ってしまう。

それはさておき、本書は女たちが快感を求めるためにアレコレ行う短編集である。ただその「アレコレ」は裏切りにや復讐といったものが多くある。

かつて美川憲一が「さそり座の女」と言う歌詞にもあるような執念ぶりが覗かせており、なおかつ肉体的な欲望も垣間見えている。特に後者の部分が官能な部分を引き立たせており、女性の魅力と怖さを知るにはもってこいと言えるのかもしれない。

またドロドロとしたと言うよりも、復讐を成就させるスカッとした感じもあれば、こじらせているような女性も出てくるなど、女性の裏の側面がありありと表された一冊とも言える。

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