日本における実体経済を測定するものはいくつかあり、特にメディアとしてよく見られるのが「消費者物価指数(CPI)」である。これは、
消費者物価指数は、全国の世帯が購入する家計に係る財及びサービスの価格等を総合した物価の変動を時系列的に測定するものです。 すなわち家計の消費構造を一定のものに固定し、これに要する費用が物価の変動によって、どう変化するかを指数値で示したもの「総務省統計局」のHPより抜粋
である。世帯で購入する物価の変動などを測定するのだが、同じ総務省統計局にて実施しているものとして「家計調査」なるものも存在する。これは、
家計調査は,国民生活における家計収支の実態を把握して,景気動向の重要な要素である個人消費の動向など,国の経済政策・社会政策の立案のための基礎資料を提供するため,総務省統計局が毎月実施している統計調査「総務省統計局」のHPより抜粋
とある。消費者物価指数は購入するものに対して、家計調査は「家計収支」や「個人消費」の動向にフォーカスを当てている。どちらかというと実体経済を知るとしたら「家計調査」であるとも言える。ではこの家計調査の結果は日本の経済の変化のなかからどのようにわかるのか、その統計の歴史と実態について追っている。
第1章「日本の家計簿調査の始まり」
「家計調査」が始まったのは意外にも古く、大正15年(1926年)にスタートした。当時は総務省ではなく、内務省社会局によって行われた。当時は貧困世帯がどれくらいあるのかを調査をするなどがあったが、戦後間もない時には闇市を調べるなど用途は時代と共に変わって着る。
第2章「家計統計を見る際のポイント」
「統計」であるだけに、実際にあるデータをどのようにして読み取るかによって、解釈自体も大きく変わってくる。そのため、本章ではどのような調査を行っているのかを確認するとともに、どのように見たらよいのか、そのポイントを解説している。
第3章「消費生活の風景が変わった」
実はこの家計調査は、それぞれの種類の消費支出などを取り上げているため、時代と共に、何が消費されているのか、さらには物価の変遷なども見て取れるため、実体的な経済の歴史と消費志向の変化が形になっている。流行や新しい商品が出たという感覚的なものもあるが、長い歴史のなかで何が消費されたのか、逆にされなくなったといった棒や折れ線グラフにて明かしている所もある。
第4章「どっこい賢く生きている」
日本はバブル崩壊以降、「失われた10年」ないし「失われた20年」と呼ばれた低成長の時代だったが、それと同時に消費の在り方も変わっていった。もちろん世代によっても、どのような消費なのかという傾向も家計調査では見えてくる。特に若い世代になればなるほど、賢く生きているのだという。
第5章「消費の地域特性、意外な事実」
「家計調査」は消費の傾向を見るのだが、その傾向は「地域」という面でも表れる。地域的にどのように消費傾向なのか、各地方ごとの傾向を追っている。
第6章「家計統計をさらに読み解くために」
家計調査の結果は事細かに出ているため、読み解き方によって変わってくることが多々ある。また本の読み方と同じように多種多様な「読み方」「解釈」が入ってくる。ではどのように読み解けばよいのか、本章では月の変化など季節別の要素も含めた読み方を伝授している。
家計調査は、経済的な中でもより私たちの生活に近い指数であり、指標自体も大きく変わってくる。ただ多岐にわたるからでこそ、細かい実体経済のことがよく見えるものである。もしどういう調査を行っているのかわからないのであれば総務省統計局のHPを覗いてみるとよい。それだけでも消費の傾向がよくわかる。
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