国際人権入門――現場から考える

「人権」と言う言葉を色々な所でよく聞く。「人権」とは、

人間が人間として生まれながらに持っている権利。実定法上の権利のように恣意的に剝奪または制限されない。基本的人権。「広辞苑 第七版」より

とある。特に日本国憲法では辞書でも書いてある「基本的人権の尊重」が第11条に明記している。しかしながら現在「人権」はどうなっているのか、国内外における人権についての現状とこれからについて取り上げたのが本書である。

第1章「「不法滞在の外国人」には人権はないのか―入管収容施設の外国人―」

以前「難民鎖国ニッポンのゆくえ」「となりの難民――日本が認めない99%の人たちのSOS」にて取り上げたのだが、日本には「出入国在留監督庁」があり、茨城と長崎に「入国管理センター」がある。その管理センターはあたかも「収容施設」と呼ばれているほどのものであり、人権を尊重しているとはほど遠い事が行われているという。その現状を取り上げている。

第2章「人種差別・ヘイトスピーチ―差別を「禁止」する法の法則―」

海外では盛んに行われている差別やヘイトスピーチだが、日本でも現状として起こっており、特に数年前には社会問題として連日ニュースとして取り上げられるほどだった。そのヘイトスピーチや差別について禁止をするような条約や地方における条例といった所で整備が行われたのだが、法律整備はどうなっているのかを取り上げている。

第3章「女性差別の撤廃と性暴力」

男女平等、そして雇用における平等は日本でもだんだんと進みつつあるのだが、それでもまだ足りない状況にある。その要因としては法整備というよりも、日本人、あるいは企業の姿勢に表れているかもしれない。

第4章「学ぶ権利実現のため措置を取る国の義務―社会権規約の観点から」

本章はおそらく新型コロナウイルスの影響による影響も出てきているのかもしれない。奨学金の返済の負担における貧困もあれば、学費に伴い学ぶ権利を失うと言うような制約についての平等である。「奨学金」と書いてあるのだが、実際には無利子で返済するところもあれば、学生ローンと全く変わりない有利子の返済もある。その現状とこれからについて取り上げている。

日本でも人権の尊重について動きを見せているのだが、まだまだ足りない部分は存在する。その「足りない」部分にて政治的な議論がされているかというと、必ずしもそうではない部分もある。そもそも人権とは何か、本当の意味での根本的な事を考えるべきであるのだが、それは差別、そして「逆差別」といったことのないマイノリティの観点で見ていく必要がある。

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