カガク力を強くする!

「科学」はもはや私たちの生活には切っても切れないほどである。文明が生まれ、そし様々な技術が生まれるようになった。それも全て科学の恩恵によって革新され、進化をなし得る元の一つとして上げられる。その「科学」は新しい実験を行うために、仮説・検証などを行うことによる繰り返しになるのだが、その科学的な思考やコミュニケーションは私たちの生活の中でも必要なことである。その科学に関する新聞記者であり、現在は科学ジャーナリストとして活躍している著者が「科学」の在り方、思考についてを取り上げている。

1章「科学に囲まれた暮らし」

私たちの暮らしはドンドンと新しくなっている。その新しくなっていく中ではコンピュータやインターネットの技術があるのだが、その根底の一つとして「科学」が挙げられる。その科学に囲まれた暮らしの中でメリットとリスクが存在するが、その双方の面を紹介している。

2章「疑え!疑え!記者という仕事」

メディアなど情報にたいして正しく見ていく力として「リテラシー」があるのだが、そもそも「リテラシー」は「疑う」と言うことも直結している部分がある。新しい情報は鵜呑みにせず、本当に正しい情報なのかの検証も必要である。本章では記者の観点から取り上げているが、記者が書いた記事を読む私たちにも必要なことである。

3章「社会とつなぐ―科学コミュニケーションの可能性」

科学と社会をいかにしてつなぐか、それは科学とメディアとの関わりをどうしたらよいのかにも関わってくる。科学記者としてのエピソードとしてどのようなことがあり、なおかつ社会とつなぐことの重要性を取り上げている。

なお本章では、今年の11月12日に逝去した小柴昌俊氏が開拓したニュートリノと研究施設である「カミオカンデ」のエピソードも取り上げられている。

4章「いのちを支える科学」

科学は医療にも直結しており、文字通り「いのちを支える」役割も担っている。生命維持や再生といったものもあり、奇跡的な回復を遂げると言ったものもある。反面1章でも取り上げたように科学には「リスク」が存在しており、それが法律・倫理を犯すといった事もある。特にデザイナー・ベビーについては倫理的な面も含め議論が絶えないのだが、その事例も紹介している。

5章「これから生きていくあなたに」

これからの時代において科学の進化とともに私たちの生活の進化も同様に進む。その進化の在り方についてどうあるべきか、そのことについて取り上げている。

6章「カガク力が身につく五つのコツ」

「カガク力」を身に付くこととして5つ取り上げているが、ようは「百聞は一見にしかず」である。実際に触れてみて、興味を持ち、考え、行動し、向き合うことによってドンドンと身に付くことにある。

繰り返しとなるのだが、科学は私たちの生活に直結している。しかしながら学生の中には科学を苦手とする方々もおり、なおかつ忌避してしまう人も少なくない。たいがいは科学的な体験に触れず、公式ばかり覚えるような学問につまらなさを感じている方も多い。確かに公式を覚えることは大事であるが、実際に触れて考える事が第一歩である。