小麦の法廷

新米弁護士が初めて刑事裁判の弁護人を務めたのだが、その事件はやがて大きな事件に巻き込まれるというものである。しかも「弁護人」と言う立場になったことにより、犯罪に加担しているのではないか、とメディアにも目を向けられ、中には罵倒というような言葉を受け取られるほどであった。

元々味方がいるような状況が合ったのだが、弁護人になったことを境に、被告を含めて完全に全て「敵」に回ってしまい、味方が自分以外完全にいなくなってしまうと言うものである。そこには司法の「穴」と「嘘」が織り込まれた舞台であった。しかし自ら持っている「正義」を持って完全と戦い抜く新米弁護士の姿は、新人の顔ではなく、解決を積み重ねていく度に、一介の「正義の弁護士」の顔へと変貌していくような印象があった。

司法の舞台で出てくる悪と嘘をこれでもかというくらいの絶望から這い上がってくる姿はミステリーと言うよりも、むしろサクセスストーリーと言うような印象が強く残る。