フランシス・スコット・キー・フィッツジェラルド(以下:フィッツジェラルド)はヘミングウェイやフォークナーと並び、20世紀を代表するアメリカ文学の作家の一人である。代表作として「グレート・ギャツビー(華麗なるギャツビー)」がある。
そのフィッツジェラルドが1940年に逝去するのだが、その最後の作品であり、未完の作品であるのが、本書である。フィッツジェラルド自身は途中まで描き、またプロット自体は最後まで残していたのだが、フィッツジェラルドの友人がプロットを整理して、完成した。1941年のことである。
「ラスト・タイクーン」の作品だけであれば、過去にも数回翻訳され、出版されているのだが、本書は「ラスト・タイクーン」以外の面で貴重な一冊である。特に最晩年にフィッツジェラルドと親しい方々宛に送った書簡が24通翻訳されている。おそらく書簡を翻訳した本はおそらく本書が初めてのことであり、最晩年のフィッツジェラルドの状況と気持ちが初めて明かされた所で「貴重」な一冊とも言える。
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