ドラゴンスリーパー

決して藤波辰爾がドラゴンスリーパーという得意技を編み出すまでの事を描いているわけではない。

本書は刑事物であるのだが、元刑事と現刑事の捜査を描いている。しかもスケールは大きく、残酷な殺人事件の裏には中国という大きな存在があった。その中国を「龍」に見立てて、犯人を追っていき、静めると言うものである。

そう言うような感じであるのだが、実を言うと、本書の登場人物の中には伝説の刑事に「パイルドライバー」の異名を持つ人物もいる。そう考えると本書に出てくる刑事の異名、もしくはコードネームをプロレス技にする、と言うのもアリかもしれないのだが、それを連想してしまうと、何か別の作品になってしまう。

それはさておき、突拍子もないように見える刑事作品のように見えて、現実の部分にも即している所もあり、何ともスリリングさも溢れる作品であり、ミステリーの中でもかなり爽快感の溢れる一冊であった。