結局,ウナギは食べていいのか問題

もう既に時期は過ぎているのだが、土用の丑の日以外でも年中食すことができることの一つとしてウナギがある。ウナギは滋養にもよく、栄養素も豊富にあるため、特に夏にて夏バテによい食べものとして有名である。そのウナギが近年「絶滅危惧種」に指定されているのだという。そう考えるとウナギは食べて良いのかと言う疑問を持ってしまうのだが、その疑問と解決方法について取り上げているのが本書である。

1.「ウナギは絶滅するのか」

本書で紹介する絶滅危惧種のウナギは「ニホンウナギ」と呼ばれるものである。よく「国産」と書かれているウナギが「ニホンウナギ」である。他にもヨーロッパウナギやオオウナギと呼ばれる外国産のウナギも存在するのだが、特にウナギの中でも高いものとしてはニホンウナギであることが多い。しかしそのニホンウナギは2014年に国際自然保護連合から絶滅危惧種(EN)として指定されている。要因としては乱獲と呼ばれているのだが、厳密には天然のシラスウナギの現象にともなうものであるとされている。

2.「土用の丑の日とウナギ――ウナギを食べるということ」

「土用の丑の日」というのはどんな日なのかというと、「土用」は、

暦法で、立夏の前18日(春の土用)、立秋の前18日(夏の土用)、立冬の前18日(秋の土用)、立春の前18日(冬の土用)。その初めの日を土用の入りという。普通には夏の土用をいう「広辞苑 第七版」より

といい、「丑の日」はその中での十二支の2つ目にあたる日のことを指している。本来の意味では春夏秋冬それぞれに土用の丑の日があるのだが、一般的には夏を指している。その「土用の丑の日」にはウナギが食されるのだが、そももそなぜウナギなのかというと諸説あるのだが、主に江戸時代において販売促進のため、積極的に宣伝されたことから伝わりだしたという。よくある2月の節分の恵方巻きやバレンタインデーやホワイトデーにてチョコを押し出すといったことと同じである。そう考えると風習として促進をするのは今も昔も変わらないと言える。

3.「ウナギと違法行為――密漁・密売・密輸」

本章のタイトルにある関連は、主にシラスウナギの事である。というのはウナギの養殖は進んでいるのだが、そのほとんどはシラスウナギを購入して養殖を行う。そのシラスウナギについて、多くは違法に流通しているものであり、なおかつそれを知ってて購入して養殖を行うと言ったことが行われた。

4.「完全養殖ですべては解決するのか」

元々養殖は稚魚から養殖場で成長させ、生産することが一般的である。その一方で完全養殖の場合は、卵から稚魚へ飼育を行い、さらにその稚魚から消費用の魚へと養殖場で成長して生産するというものである。完全養殖と言えば、近畿大学にてクロマグロの完全養殖の研究に成功し、少しずつであるが商用化を始めているとされている。

ではウナギはどうかというと、2002年に三重県の水産総合研究センター養殖研究所で実験が行われ、完全養殖に成功したとされているが、現時点でコスト面から商業科に至っていない。近大でもウナギの完全養殖の実験が行われている。

5.「ウナギがすくすく育つ環境とは」

そもそもウナギはどのような環境で育つのかと言う疑問が出てくる。本章ではウナギが育つ環境はどこにあるのか、ウナギそのものの生態と共に取り上げている。

6.「放流すればウナギが増えるのか」

ウナギを養殖すると、成長の良し悪しが変わってくる。もちろんそれは天然でも同じ事が言えるのだが、養殖には養殖の悪さがあるという。成長のよいウナギであれば食用として消費される一方で、成長が悪いと川などに放流するのだが、そもそもその放流でウナギは増えるのかというと、決してそうではないという。

7.「ワシントン条約はウナギを守れるか」

ワシントン条約は国際取引の規制を表しており、とりわけ特定生物の輸出入を制限、あるいは禁止にする条約である。ニホンウナギはその対象ではないのだが、絶滅危惧種に指定されていることから指定されてもおかしくないと指摘している。もしもワシントン条約の対象となった時にウナギは守れるのか、その疑問を解き明かしている。

8.「消費者にできること」

消費者にできることは何か、行政としての対策はされているのだが、なかなかうまくいっていないような状況にある。個人としてはどうかというと、自らウナギを違法かどうかを選ぶという所にあるのだが、近年では手口が巧妙化しつつある中、どう選べばよいのかわからない。

ウナギは特に夏に食されるものであり、私も好んで食する。しかしウナギ自体は養殖が盛んに行われているとは言え、絶滅危惧の事態にある。もちろんそれを回避するための対策は行われているが、実際に回避できるのはいつになるのかわからない。

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