本書はeスポーツを主軸とした作品であり、プロゲーマーを目指すために日々研鑽している者の、結果を残すことができず、心が荒んでいった。元々家族が「いた」が、離婚し、独身に逆戻り、結果が出ずに収入も減ってしまい、ついには「事件」を起こしてしまう。それが引き金となってしまい、eスポーツとしての自身のキャリアが地に落ちてしまった。もう残機も少ない中で主人公は様々な「支え」を知ることになる。もっとも最初はひねくれ者で、誰にも心を開かなかったのだが、謎の三人組の登場によって主人公の心境も大きな変化を起こした。
その「変化」はやがて復活劇となり、そして「頂点」という高みへと登っていくという物語である。
eスポーツを題材とした作品はいくつかあるのだが、本書は落ちぶれてから這い上がると言ったある種のサクセスストーリーがある。もっとも戦いの臨場感も文面越しに表現されており、ものの見事にeスポーツの世界に引き込まれた気がしてならなかった。
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山田 悠介 河出書房新社 2020年07月14日
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