今年は新型コロナウイルスの影響により、旅行が自粛しなければならないなど大きく制限される年となった。さらに言うと海外旅行となると、その度合いが強くなり、国によってはロックダウンも行われているほどである。
そういった時期には海外旅行は実際に行くよりも、本やガイドなどを通じて、妄想で行っていくことで、コロナ禍が終息したときの実体験への助力としていきたい。その中で今回紹介するのはポルトガルであるのだが、ポルトガルの中でも「食べる」といった食の面での旅を取り上げている。
第1章「ポルト」
ポルトガル北部の港湾都市であるポルトは1年を通して比較的あたたかい所である。そこで本章が最も薦めているものとして「ビファーナ」と呼ばれる豚肉をサンドしたバーガーである。ポルトは豚肉料理などが盛んであり、豚肉の燻製や腸詰(ソーセージやウインナー)などが売られているという。
第2章「トラズ・オズ・モンテス地方」
ポルトと同じように北部ではあるのだが、ポルトから高速バスで1時間半ほどにあるのが、本章で紹介する「トラズ・オズ・モンテス地方」である。ここでも腸詰料理はあるのだが、それ以上に有名な料理が「パン」である。しかもただのパンではない。「フォラール」と呼ばれるパンであり、俗に「満腹パン」と呼ばれるほどふんわりとしながらも、お腹をすぐ満たしてくれるようなパンである。
第3章「ベイラス地方」
ポルトガルには多種多様なチーズがあり、本章でも「チーズ山脈」と形容しているほどである。私自身もチーズ好きであるため、その言葉を聞くだけでもたまらなくキーズを欲してしまう。もちろん本章ではありとあらゆるチーズ料理が登場している。
第4章「アルガルヴェ地方」
今度は逆にポルトガルの南部に入っている。本章で紹介するアルガルヴェ地方は最南端にある。そこではどのような料理があるかというと、豆料理はもちろんのこと、海に面しているため海産物を使った料理も紹介されている。しかし本章の目玉としてはチキンを胡椒やソースでなじませて焼く「チキンピリピリ」という料理である。見ているだけでもクセになりそうな料理である。
第5章「マデイラ島」
ヨーロッパ大陸から南西にあり、大西洋に浮かぶ島々として「マデイラ諸島」があり、そのうちの一つに「マデイラ島」がある。大きさとしては日本の奄美大島とほぼ同じ位でと言われている。島であるだけに海産物は豊富であり、それを使った料理も数多くあるのだが、他にも料理に合うワインも多くある。見ているだけでワインが飲みたくなるほどのヴァリエーションも魅力的である。
第6章「リスボンとその周辺」
最後は首都であるリスボン。その中でも特に有名なおやつとしてはパステル・デ・ナタである。簡単に言えばエッグタルトである。リスボンにはパステル・デ・ナタを購入したり、食したりできる所が数多くあるほどだという。他にも干し鱈のコロッケやワインなども有名である。
本書の巻末には日本でもポルトガル料理を味わえる店をいくつか紹介している。本書が発売されたのは2019年であるため、現在では閉店しているところも出てきていることが予想されるため、本書に出てくる店に行く前に一度確認をした方が良い。ポルトガル、そしてそこでの料理の魅力がふんだんに詰まっており、ポルトガルへの旅行に行きたい欲望もさることながら、ポルトガル料理を食してみたいという欲望を増幅させる格好の一冊と言える。
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