よく目にするのが電柱や電線に鳥が止まっている所である。感電しないのかと思ってしまうのだが、以外にも感電せず、何食わぬ顔で止まったり、別の所に飛んだりする。のどかな雰囲気を漂わせている一方で、場所によっては糞害が出て、生活に被害を及ぼすようなことまであるなどの悪い側面も存在する。本書は電柱や電線になぜ鳥たちは止まるのか、そして実害との闘いはどうなっているのかについて取り上げている。
1.「電柱と電線の基礎知識」
ここでは電柱と電線にまつわる原理を紹介している。具体的な所についてはそれだけで1冊の本になってしまうところから割愛するのだが、本章では鳥との関連しての基礎知識としてどのような線があり、電柱の役割とは何かにとどめている。
2.「鳥、電線に止まる」
元々電柱や電線ができたのはごく最近であるように、鳥が電線に止まるようになったのはごく最近のことであるという。しかし鳥によっては電線に止まることができる鳥とできない鳥がある。よく見るのはスズメやハト、カラス、ウグイス、トンビツバメなどがいるのだが、他にもムクドリやヒヨドリ、ハクセキレイなどもいると言う。中には電線で遊んだり、寝床にしたりする鳥もいる。
3.「感電しない鳥たち」
鳥が電線に止まるとなると感電しないか、というふとした疑問が生じるのだが、実を言うと、電線に止まる鳥の「足」に感電しない原理があるのだという。もちろん電線を跨ぐと感電してしまうことには変わりないのだが、その要因についても生態と共に説明している。
4.「鳥、電柱に巣を作る」
電線ばかりが鳥の被害ではない。鳥によっては電柱はもちろん、電線の近く、さらに器用なことに腕金と呼ばれる電線を支える金具の中に巣を作る鳥もいると言う。中には巣を作ることによって電線に害を及ぼす事例もあり、そのことでの電力事故もあることから、巣を見つけたら電力会社等に連絡することも呼びかけている。
5.「電力会社、鳥と闘う」
鳥と電線などを扱う会社とのいたちごっこはずっと続いている。電線に止まらないようにするためのしかけを行っているのだが、しかけをしていない所に止まるなどの繰り返しが続いているという。
現在では電線の地中化などが進んでおり、鳥が止まるなどの糞害のみならず、景観の観点からよい方向へと向きつつあるのだが、それでもなお完全に行うまでに時間がかかり、なおかつ別のリスクもはらんでいるという指摘もある(破損・断線箇所が特定しにくくなり、復旧が遅れるなど)。そう考えると鳥と電線などを扱っている業者との闘いに終止符を打てるかどうか、まだ先の話になるのかもしれない。
コメント