お龍のいない夜

よく時代劇でも登場する、幕末の中でも印象に残る人物として挙げられるとするならば、「坂本龍馬」である。その妻の「お龍(楢崎龍・ならさきりょう)」も龍馬を主軸とした作品にはほぼ必ずといってもいいほど出てくるのだが、そのお龍を主軸とした作品は本書以外あまり見たことがなかった。

ちなみに本書は内助の功としてのお龍と言うよりも、まだ「楢崎龍」だった時代、つまりは龍馬と結婚する前の時のことを描いている。京都の旅館で働くお龍は隠れ家として使っていた坂本龍馬との出会い、そして結婚するまでに恋文を交えたのだが、その文には何と書かれていたのか、そして龍馬は死線を越えてきたのだが、その中にはお龍の機転も存在した。なぜ機転を利かせることができたのか、創作の中で表しているのだが、京の人物ならではの「いけず」な要素もあれば、妻になる中で出てきた「芯の強さ」が如実に表れていた印象があった。

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