感情はコントロールしなくていい 「ネガティブな気持ち」を味方にする方法

よく感情をコントロールする本が書店に出回っている。もちろん仕事によっては感情そのものをコントロールすることは大事になってきており、会社の世界となると「ハラスメント」として扱われ、場合によっては処分されると言ったこともある。

しかし著者はむしろ感情はコントロールせずに「味方」にすることでうまく行くのだという。そのコントロールをやめてどのようにして「味方」にしていけばよいか、本書にて伝授している。

第1章「「怒り」を味方にすれば「人間関係」はうまくいく」

よくあるのが「怒り」のコントロール。「怒り」が生まれる原因も様々であるのだが、それをコントロールするのではなく、むしろ自分自身に爆発してみるというものである。もっとも怒りを持つことは悪いのではなく、相手にぶつけることにより、「パワハラ」などのハラスメント発展するわけである。そこで怒りを「自分自身」に向ける、さらには怒りの根源の一つである承認欲求を「他者」から「自分」にシフトしていくだけでもよくなるのだという。

第2章「「我慢」を味方にすれば、「ストレス」がなくなる」

どうしても我慢をしてしまう時期である。新型コロナウイルスの影響により、やりたいことができなくなると言った我慢を覚え、イライラを持ってしまう方々も多くいる。しかしその「我慢」をどのように味方していくのかというと、考え方の中心を「自分」に向けることにあるという。

第3章「「競争心」を味方にすれば「成果」が出る」

ビジネスは「競争」であるが、その競争を忌避する方々も少なくない。最近では競争をやめて成功したと言うような本も存在するほどである。しかし競争をするというと攻撃的な側面もあるのだが、「競争」をする中でも「相手をライバルとして認める」と言うような部分を持つことで味方につけることができると言う。

第4章「「見栄」を味方にすれば「優れた能力」を発揮できる」

見栄をはると言うと、むしろ相手から話題の中心にしたがると言った欲求が見え見えに鳴、相手からも白い目で見られる。しかしその「見栄」を他人の承認欲求のためにするよりも、自分と向き合い、「自分が好き」となれるように見栄を張ることで味方につけることができる。

第5章「「不安」を味方にすれば「行動」しやすくなる」

失敗したらどうしようと言ったチャレンジに関してのネガティブな心はたくさんある。しかしながらその不安を武器にすることによって行動をより確実にさせることができ、なおかつ不安の感情を一つ一つ取り除く要素として「どうすればよいか?」といった問答も大事になってくる。

第6章「「焦り」を味方にすれば「成功」する」

「焦り」もまたネガティブな感情の一つとして挙げられる。その焦りもまた相手からの「評価」と言う面での「他者承認欲求」といった感情によって生まれる。さらに言うと一歩先などの未来の側面から置いて行かれるのではないかと言った負の感情を持ってしまうのだが、そういうときにこそ「今」を見据えることが大事になる。今を見据えて、どうしたらよいかを考える事により、焦りは成功への武器となる。

第7章「感情を味方にするとすべてがうまくいく」

人は動物と同じく感情を持つ。その感情を押し殺す主張もあるのだが、むしろ感情をいかにして自分自身を向上していくための味方としていくことによって、仕事にしても、プライベートにしても有意義なものになってくる。

ふと思いだしたのだが、知り合いからの話で「コンプレックスは武器になる」と言う言葉を思い出した。もっともコンプレックスも身体をふくめたネガティブな部分を持っており、それを負債として持つのではなく、むしろそれを武器にしてブランディングしていく事によって成功に近づけるといった話である。

感情にしても、中には負の部分があり、その負の感情をいかに武器にしていくかによって人生も大きく変わってくる。押し殺すことも大事であるのだが、本書のように、矛先を「シフト」していくことで敵だった感情がいつしか味方へと変わる。