老後と介護を劇的に変える食事術―食べてしゃべって、肺炎、虚弱、認知症を防ぐ

老後にしても、介護を受ける・受けない、あるいは認知症をはじめとした症状は生活習慣から来るのだが、その生活習慣の中には「食事」もあり、摂り方によっては健康に過ごせることもあれば、逆に病気や介護を受けるリスクにもなる。またその受けるリスクによってはせっかくの食事も食べられないといった事も存在するという。その老後や介護の状態を劇的に変えることもまた「食事」であるのだが、その方法を取り上げているのが本書である。

1.「普段の生活の中で始まる「食べられない」を知っておく」

「摂食嚥下障がい」という病気が存在しており、食べたい欲求はあっても食べられないような現状がある。その障がいを抱えている方々は食べられないと言うこともあるのだが、食べた気になったとしても食べても吐いてしまうと言ったこともある。他にもこの障がいによる肺炎もあり(誤嚥性肺炎)、味覚障がいのリスクもある。

2.「「食べられない」が招くリスク」

「食べられない」ことにより、言うまでも無く栄養不足のリスクがある。栄養不足に陥ることにより、さらなる病の原因となり、最悪死に至ることもある。

3.「「食べる」を弱らせない食べ方・暮らし方」

それらの病を克服するためにも「食」が大切になる。理想的な食事としては、もちろん「栄養バランス」を十分に摂ること、3食しっかり食べることなど、当たり前な事なのだが、実際に行う事は難しい。難しいだからでこそ、意識的に取り組むことが必要である。

4.「身近にある「食支援」―「食べる」を支えるプロのケア」

キチンとバランスよく摂る事は必要なのだが、どのようにして食事を提供していけばよいのかわからない方々も多い。そこで「プロ」に頼むことが必要になってくる。その「プロ」とは「管理栄養士」である。よくスポーツなどの舞台でコンディションを万全にし、効率よくトレーニングしていくためにバランスよく食事できるようにするための方々でもあるのだが、食事療法を行っていく中でも必要な方々でもある。また看護師などの医療のプロとも関わることによって「食べられない」ことに関してのケアを行っていくことも必要である。

5.「「食べる」とあわせて守りたい「しゃべる」生活」

「摂食嚥下障がい」を改善していくために食べることのほかに「しゃべる」ことも大切である。しゃべることにより、脳機能を活性化するだけでなく、孤独における心理的な喪失を防止させる側面もある。

6.「「食べる」「しゃべる」から考える認知症」

認知症防止、あるいは介護をよくしていくために「食べる」「しゃべる」といった要素が大切になってくるのだが、その2つを行っていく要として「支え」がある。もちろんプロの支えもあるのだが、家族や周囲の方々の「支え」もまた改善していく上で必要である。

もはや超高齢社会であり、なおかつ介護の需要も高まってきている。しかし周囲の支えによって栄養面、精神面などを支えていくことにより、認知症や障がいは防止することができる。なかなか難しいことなのかもしれないが、より健康的に長生きしていく上で「食」と「関わり」は薬での処方以上に効果がある。