本書の主人公は「交渉屋」と呼ばれる裏稼業である。裏社会の中で武器などを調達し、組織に渡すと行った事である。その交渉屋を勤めている職場にある少女が訪れる。会社からかくまうように押し付けられ、共同生活を送ることとなる。
もともと主人公は過去を全て捨てて、人生の彩りをなくしていった。タイトルのある通り「彩無き」人生だったとも言える。しかし少女の出会いによって、人生に彩りが戻ってくるようになった。少女は思っている以上に純粋で、裏社会という嘘偽りの世界の中で生きていた主人公はどのように変わってくるか、もちろん裏社会には危険が多く、どう立ち向かっていったのかが描かれている。
ラストは何とも言えないような展開だった。交渉屋がどのように変わっていったのか、彩りを取り戻した主人公は本当の意味で「変わっていった」と言うほか無かった。人とのひょんな出会いは、裏から表へと変わっていく、その姿が映し出されていた。
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行成 薫 集英社 2020年12月16日頃
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