千葉県富里市に掟破りの農業会社がある。その名も「ベジフルファーム」。実はこの会社を設立し、働いている方々は全て元ヤンだというから驚きである。世間から荒くれ者と呼ばれている方々が、農業の世界にカチコミ、もとい殴り込みし、農業を変えようとする方々の姿・仕事が取り上げたのが本書である。
第1章「日本の農業を変えるのは、元ヤンだ!」
元ヤンが農業を変えられる、そして農業に携わることができる理由を6個紹介している。ヤンキーの世界がどのような世界で、どのような性格なのかがよくわかり、なおかつ農業でできる点がよくわかる。他にもよく世間で言われるヤンキーの世界と、現実のヤンキーの世界にも差異があり、その差異も本章にて指摘している。
第2章「元ヤン、日本の農業に殴り込みをかける」
ヤンキーの世界から農業の世界へカチコミ、もとい進出をすることとなったが、農業の世界はどのような世界なのかを知り、トライしていった。しかし農業は厳しい世界である。その世界をまざまざと知ることとなった。しかし試行錯誤の結果、美味しい野菜をつくることに成功し、なおかつ様々な人との関わりでもって農業も、人も成長して行った。
第3章「元ヤン社長のぶっちぎり仕事術」
「仕事術」とひとえに言っても、書店に行くと様々なものがあるのだが、本章で紹介する仕事術は良くあるそれとはどれも当てはまらない。もっと言うと「型破り」と言う言葉では収まらないほどのものだった。特に農業における仕事はどんな仕事か、そしてコミュニケーションや交渉はどうするか、特にここの部分がヤンキーならではの凄味がある。
第4章「農業で成功するには、仲間とアイデアと根性だ」
農業で成功する要素は至ってシンプルで、タイトルにある3つの要素であるという。その要素がベジフルファームにてどのようにして成り立っているか、3つとも冒頭から出てきているのだが、特に知能の面でどのような方々が仲間として働いており、アイデアを創出しているのかわかる。
また本章では社歌も紹介しているのだが、おそらく私の知る限りではここまで異端な社歌は聴いたことがない。
農業に進出して成功した本はいくつもあるのだが、その中でも特に異彩を放つ一冊であり、なおかつ強烈な印象を持つ一冊であり、なおかつ会社でもある。農業に偏見を持たれる方、あるいは農業に挑戦しようと思う方であれば是非本書から一度読まれた方が良い。色々な意味で世界が変わる衝撃を与える。