サンライズパブリッシング様より献本御礼。
人生に挑戦するのに年齢なんて関係ない。そもそもこの世に時間などない。それは人間が勝手に作ったものだ。
これはスイスの時計技師として現在も活躍するフランク・ミュラーが語った言葉である。年齢に関係なく、挑戦をする人々がおり、時にはサプライズとなってメディアに取り上げられることもある。
しかし年齢と共に、様々な衰えが出てくることは事実としてあるのだが、実際にその衰えもせずに、チャレンジを行い続けている人もいる。本書は帯にもあるように66歳で留学、70歳で起業、御年86歳でも現役の社長として辣腕を振るっている方の健康の在り方を伝授している。
第1章「人生100年時代における健康とは?」
日本の平均寿命は2019年現在、男性で81.41歳、女性で87.45歳である(厚生労働省「令和元年簡易生命表の概況」内の「1 主な年齢の平均余命」より)。平均的な寿命であればたいがいは80代で逝去するが、著者は86歳でありながら現役社長として活動し続けている要因、そこには「健康」と、それによるマインドの醸成があった。
第2章「身体を整えるサプリメントのチカラ」
今となっては薬局を始め、多くの店でサプリメントは並んでいる。特に新型コロナウイルスの影響により、外出は自粛され「巣ごもり消費」を行う時代に入り、サプリメントを含めた健康食品の売り上げも伸びてきており、2021年には1.5兆円になるのではないかという見込みもある(日経新聞「20年の健康食品市場は1.5兆円 免疫機能に関心」より)。
サプリメントへの認知も高まりだしていることは確かだが、健康で居続けるためにはサプリメントそのものの選び方も必要になってくる。とはいえど、サプリメント自体、日本にて広がったのは遅く、著者自身はアメリカ留学の際にサプリメントに出会ったという。1960年代のことである。日本に入り、広がっていったのはそれよりも後を考えると遅れているのだが、その要因も本章にて指摘している。
第3章「66歳でアメリカ留学の最強メンタルを鍛える方法」
本章ではなぜアメリカ留学をしたのかと言うよりも、留学できるためのメンタルを鍛えていったのかを取り上げている。著者自身は防衛大学校を経て、自衛官として活躍した経歴を持っている。大学校生、自衛官の経験と学び得た中で出てきた武人、そして心構えなどを取り上げつつ、日本の教育の未来についても言及している。
第4章「田中流“いま”を生きるスキル」
「生きる」ことはかつて長命であればあるほど良いものとされたのだが、長寿そのものよりも「どう生きるか」といったことを考えていく必要がある。また健康的に生きるための生活習慣、食事などのあり方について取り上げているのも本章である。
「病は気から」と言う言葉がある。もちろん気だけで病にかからないと言うわけではないのだが、心構えや習慣そのものを変えていくことにより、若い内に病にかかることもあれば、著者のように80代でも現役で働ける方もいる。本書は単なる健康法ではなく、健康を通してどう生きるか、そのことを考える一冊とも言える。
コメント