地先

人生はまるで航海のようだという人もいる。人生はまるで大地の果てを目指して歩き続ける旅のようだと言う人もいる。本書はその中でも後者を比喩しているような気がしてならない。

人生には様々な歩みがあり、なおかつ恋愛、仕事があり、そして希望や成功、挫折なども体験する。その体験を通して、人生という地続きの道、そしてその先にあるタイトルの如く「地先」が見えてくると言うことを著した短編集である。

本書のタイトル自体も、ありとあらゆる場面に遭遇する人生そのものを描いていると言うことを意味しており、なおかつ人生の中で出てくる試練との戦いもまたその先につながる「地先」と巡り会うことができる機会と言える。地続きで続く人生がなんとも勇気を与え、絶望と感動をもたらしていくのかが短編であれど、ある種の連作のように見えている本書でもってよくわかる。