障害者から「共民社会」のイマジン

障害者に対する偏見は、年々なくなってはきているものの、未だに存在している現実がある。またその差別的な意識からか、2016年に起こった「相模原障害者施設殺傷事件」をはじめとした痛ましい事件も、今もなお起こっている現実もある。

本書の著者はかつて先述の事件について問題提起を行った一冊を取り上げたのだが、本書は「共民社会」といった障害者と健常者双方が共生する社会になっていくためにはどうしたよいかを提起している。

第1部「障害者か健常者か、それが問題だ!」

本書、もとい著者は「相模原障害者施設殺傷事件」のことを「津久井やまゆり園事件」と称している。前者は既存マスコミ等で広く扱われているが、著者は事件が起こった場所にフォーカスを当て名付けられている。この事件に対して共生とは何か、障害者と健常者との溝はどこにあるのか、そしてそこからわかり合えるためにはどうしたら良いか、そのことについて取り上げている。

第2部「コラム ザ・障害者」

実は著者自身も障害を抱えており、目が見えない状態にある。もちろん目が見えない中でも見えてくる者がたくさんあり、世の中のこと、差別社会、さらには平等とは何か、ありとあらゆる部分から障害者の視点からどう改善していくべきか、そしてどのような思いがあるのかを主張しているのが本章である。

日本の社会は障害者をはじめ、様々な境遇を受けている人々を受け入れる、いわゆる「ダイバーシティ」の風潮を強めている。しかしながら未だに差別などは残っているのは事実としてある。これからどのように「共生」「共働」などのマイノリティの動きに持っていけば良いのか、障害者の立場としての主張が見えてくる一冊であった。

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