人に触れたときにその人の未来が見えてしまうという男性は、恋愛とは無縁の生活を送ろうとしていた。ある女性と出会うまでは。その女性と付き合いだし、バッドエンディングの未来を見たときに、それを覆すべく為に動いたとき、物語は始まった。
本書は「ミステリー」と表記しているのだが、むしろ恋愛小説の要素が強い。それでいて、未来を見えるといった物語はファンタジーの要素も絡んでいる。そのため「ミステリー」を意識して読むと物足りないかもしれない。しかしながら恋愛モノ、あるいはファンタジーモノで見るとするのであれば、ある種王道を行くような物語である。
甘酸っぱいながらも、人に触れると「心の中が読める」といったものではなく「未来」を読んで、覆そうとする姿勢、そして避けようとしていた恋愛を、そして女性との付き合いに向き合おうとする主人公の姿は素晴らしいという他なかった。
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