サブスクリプション 製品から顧客中心のビジネスモデルへ

今となっては毎月一定の料金を支払うビジネスモデルである「サブスクリプション」は多岐にわたるビジネスで採用されている。元々は製品を購入するといったビジネスが中心であったのだが、サブスクリプションにより、製品を借用・返却して利用するといったモデルが生まれており、多岐にわたる需要に対応しているモデルともなっている。

そもそもサブスクリプションモデルはアメリカで席捲し、日本でも席捲しているのだが、その時代はいつ、どのようにして到来していったのか、本書ではそのことについて取り上げている。

第Ⅰ章「所有から利用へ ――サブスクリプション時代の到来」

サブスクリプション(略して「サブスク」とも呼ばれている)の火付け役の一つとなったのが、動画配信サービスで世界最大手と言われている「Netflix」である。他にも、企業などに向けたプラットフォームサービスである「Salesforce」もまたサブスクリプションの火付け役の一つである。Netflixは今でこそ動画配信サービスだが、かつてはオンラインのDVDのレンタルサービスを行っていた。今で言う所の「TSUTAYA DISCAS(ツタヤディスカス)」がそれにあたる。

第Ⅱ章「サブスクリプション・エコノミーの創出 ――デジタル化と融合するサブスク」

もっともサブスクリプションビジネスが生まれ、急速に伸びていった背景としては「デジタル化」と言った要因が大きい。インターネット上で手続きを行い、一定した料金でサービスを受けることができる所が大きく、なおかつここ最近出てきている「シェアリング」のサービスも行いやすいといった所もある。

第Ⅲ章「米国を席巻するサブスク・ボックスの波 ――製品中心から顧客中心へ」

日本でも今となっては色々な業界でサブスクリプションを行ってきたのだが、先にアメリカでありとあらゆる所でサブスクのサービスが行われるようになった。このサブスクリプションが広がった要因としては製品そのものが中心になるよりも、顧客のニーズに「応える」といった要因になることが大きい。

第Ⅳ章「未来社会に広がる成長機会 ――新たなる成長機会を捉えるサブスク」

サブスクリプションの風潮はドンドンと広がりを見せていくのだが、その中で新たな成長機会としてとる業界も少なくない。また今後日本の人口はさらに減少し、なおかつ高齢者の比率も高まっていくことが目に見えている。その中で成長機会がある所としてサブスクリプションがあるという。

第Ⅴ章「モノを売る時代の終焉 ――すべての消費を飲み込むサブスク」

著者はサブスクリプションの風潮はさらに高まり、ほぼ全ての業界にてサブスクリプションモデルが席捲するだろうと分析を行っている。その上でタイトルにある「モノを売る」と言ったことが終わるだろうと予言もしている。

サブスクリプションモデルはビジネスの世界では「ストックビジネス」であり、一定の売上・収益を望むことができるモデルであり、特段の事情がない限り安定的に売上・収益を得ることができる。そう考えるとサブスクリプションの風潮はますます高まっていくが、モノを売る時代がなくなるかと言うと、どうかなという考えがある。