友を裏切った男 あるラグビーチームの物語

「One for all, All for one.」

ラグビーの世界ではよく使われ、やがてチームプレイをはじめとしたありとあらゆる世界にて用いられる言葉となった。元々はフランスの小説である「三銃士」における英雄たちとの友情を表した言葉である。それがいつしかラグビーに転用されたのだが、そもそもは「一人」ではなく「ひとつ」である。もっと言うと、意訳として、最初の「One」は一人であるが、後者の「one」は一人ではなく「一つの目的・目標」といった意味合いも持っている。

そしてラグビーには試合終了後の「ノーサイド」があり、闘ってきた仲間、相手への敬意を持つと言った要素もある。

しかしそのラグビーの世界では時には裏切りや残酷な物語も存在した。時には指揮官として、選手として失格なのではないかという葛藤もあったが、ラグビーに対してひたむきに向き合った結果などが描かれている。

著者はラグビーを経験しており、なおかつクラブチームにもいたこともあった。ラグビーの細かい描写の中には著者自身が行ってきたことをそのまま描いている部分もある。ラグビーを通した人間模様の世界がここにあった。