死刑囚メグミ

人生というのはとにかくわからない。ひょんなことから逮捕され、死刑判決を受けると言った事件に巻き込まれることもある。中には明らかな冤罪にも関わらず、犯罪としてでっち上げられ、死刑判決を受けて、再審申請を行っている件も少なくない。

しかし出来事は突発的に起こることもあれば、数奇の運命を辿って巻き込まれてしまうと言うようなこともある。本書の主人公は悪いできごと、状況が連鎖的に起こってしまい、最悪の事態になったと言う物語であるが、そもそも主人公の周囲の所がきな臭いと言うことを気づくべきだったのだが、主人公自身の「余裕の無さ」と言うのが浮き彫りになってしまい、巻き込まれたと分析する。

物語としては無罪を勝ち取って、と言うよりも勝ち取るきっかけまでを描いているため、最後の最後と言った所は描かれていない。そう言う意味で描ききってほしかったという消化不良の感が拭えなかった。