おそらく日本のプロレス界にとって、ここ最近では大きく動いていると言っても過言ではない。それは先日秋山準がDDTに、武藤敬司がノアに移籍し、武藤はGHCヘビー級王者に輝き、史上3人目および史上最高齢のメジャー3大ヘビー級制覇を達成した。昨今まで新日本プロレス一強と呼ばれていた中で、どこまで脅かすのか注目が集まる。
その新日本プロレス「一強」をつくったのは何人もいるのだが、その中の一人に昨年10月に退任した本書の著者であるハロルド・ジョージ・メイがいる。新日本プロレスのグローバル化に大きく貢献し、海外のメジャーなホールで興行を行い、成功に導くなど多大な活躍をされた。現在はアース製薬の社外取締役を勤めるなどの多角的に活躍をしている。
もともとなぜ新日本プロレスの社長になったのか、そしてプロ経営者として活躍したメイ氏の足跡とは何かについて取り上げたのが本書である。
第1章「パーソナルなこと」
元々オランダ出身であるが、初めて日本にやって来たのは8歳の時に、家族とやって来たことから始まる。そこで5年間済み、そこからインドネシア、アメリカへと渡っていった。
その後は日本・アメリカと国を経ていくつもの会社へと渡り、ブシロードの取締役、新日本プロレスの社長へと就任した。
第2章「マーケティングについて」
大学卒業後、いくつもの企業を渡り歩いたが、特に行ったのがブランディング・マーケティングの事業に携わっていった。有名なブランドの中にはメイ氏が携わっている所も少なくない。その経験を経てマーケティングとは何か、ブランディングとは何かについてを取り上げている。
第3章「経営について」
経営にしても会社・団体にも種類があり、経営「者」にも創業家、外部招聘、一般社員からのたたき上げといった類いもある。また経営を行う事や、さらには経営者と投資家との関係、グローバル化といった展望などを取り上げている。
第4章「新日本プロレスについて」
元々メイ氏はプロレス好きであるが、なぜ好きになったのか、それは小さい頃によく父と共にテレビでプロレス観戦をしたことにある。そのプロレスの世界に入り、経営者となった時に、プロレスを通じて描いている夢がある。その夢を明かしている。
第5章「組織と人について」
そもそも経営者となると、「会社」などを組織をまとめることが必要になってくる。そもそも会社にしても経営にしても「人」が大事である。そのため人を大切にしながらも適材適所で配置を行う事も必要になる。また組織や会社は常に変化があるため、組織変革は常に行っていくこともある。
プロ経営者として、数々の企業の経営に携わり、さらにはブランドの設立や成長にも大きく携わってきた。その足跡が余すところなく綴られている一冊であった。
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