焼餃子

本書の第二部としてある餃子戦争は少し形を変えて今も続いている。それは宇都宮・浜松の戦争である。しかしその戦争はさらに宮崎も加わろうとしている。今は浜松が有利であるが、宇都宮も天下を奪い返さんと攻めており、一方で宮崎も虎視眈々と奪取せんと躍起になっている。

ただしこれは現在ある焼餃子戦争であるが、本書は大きく異なり、今や国民的グルメとなっている「焼餃子」はどのようにして生まれたのか、本書はスケール大きく、なおかつ大げさに、なおかつロマン溢れさせながら描いている。

よく知られている日本の餃子の伝来は、水戸黄門で知られる徳川光圀(水戸光圀)が中国大陸に伝わる食べものとしてラーメンと共に初めて食されたことから始まる。やがて明治になるとレシピが伝わり、大東亜戦争後には一般庶民にも広がりを見せた。

この概要部分を大東亜戦争前後、一般庶民に広がったところを風船が割れない程度のギリギリまでの如く膨らませて物語にしたものである。簡単に言えばそうかも知れないが、元々餃子もある種風船のように餡を包んでいるため、その餡を皮で大きく物語を包み込んで焼いているような一冊である。創作であることを割り切るとかなり楽しめる一冊である。

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