人には誰しも「究極の選択」といった場面に直面することがある。その数・質は人それぞれかも知れないが。
それはさておき、本書は悲喜こもごもの「究極の選択」が求められる物語を5編取り上げている。そもそも「究極の選択」は人生の大きな転機になるのだが、その「転機」自体は悲しいところからの脱出や、長らく未解決だった件を解決することなど様々な傾向のものが収録されている。
全て近未来のSF作品であるのだが、現実味も残している部分があり、その影響からか、未来に向かって立ち向かう勇気もあれば、地獄から生還するために究極の選択を行うしかないことの悲しさもあり、転機を迎える前後の所でも考えさせられる部分がある。
しかしながら「究極の選択」に直面し、乗り越える姿は、登場人物の「人間」そのものの姿がありのままに映し出されていたことは確かだった。
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松崎 有理 東京創元社 2019年11月29日頃
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