日本における「会社」の数は約386万ある(2016年・総務省統計局のデータより)。もちろん中には零細企業もあれば、個人事業だけで行っている起業も少なくない。特に多くの従業員のいる会社では、どのようにして企業として、組織として成長すべきかが大きな課題であるのだが、その中でも他社の成功事例を取り入れると行った動きも存在する。
しかし、それではうまくはいかない。ではどのようにして、強い会社へと進化を遂げていけるようになるのか。本書はそのことについて取り上げている。
第1章「なぜ、他社の成功事例を取り入れてもうまくいかないのか?」
他の会社を成功事例を自らの会社にアレンジメントを行い、実践を行っている会社も少なくない。しかしうまく行かない事例が多くあるという。その理由としてはどのようなものなのか、成功している会社にはやり方もあるのだが、そのやり方を実践できる「風土」や考え方が存在する。「やり方」とはこの後取り上げる「仕組み・制度・施策」などが挙げられる。こういったことはそれぞれの会社にあり、自ら独自のものをつくっていかないと意味がない。
第2章「「企業理念」「コア・コンピタンス」によって、必要な「仕組み・制度・施策」は異なる」
会社にとっての大きな「幹」となるのが「企業理念」や「コア・コンピタンス」である。これらを以下にして築いていくか、そしてそこから戦略をどのようにして考えていくか、制度をどのように組み立てていくか、異なる中で本章ではケーススタディとしてリクルートの事例ともに取り上げている。
第3章「強い会社に変わるための「思考のフレーム」」
強い会社には「幹」となる理念ばかりでなく、「思考」のフレームもしっかりとしているという。その「思考のフレーム」はいかにして築いていくべきかを取り上げている。「思考」はやがて一人一人の従業員に伝播し、会社にあった「文化」を形成付けていく。
第4章「強い会社に変わるための「仕組み・制度・施策」」
従業員には従業員それぞれの「課題」を持っている。しかし会社全体でもまた「課題」は存在する。量・質のあり方は会社の数だけ存在するが、どのように解決を行うべきかにかかっている。その「解決」が「組織変革」にあたり、会社としての制度変更と言った所にもなってくる。
第5章「強さを支える陰の主役は「コミュニケーション」の仕組み」
従業員がいる会社にとっては経営者と従業員をはじめ、従業員・幹部など役職の枠をとったコミュニケーションが大事になってくる。なぜ大事になるかというと会社として強いももにして行くためには「チーム戦」といった部分があり、そこには「団結力」が伴う。その団結力を強固にして行くために、会議のあり方を変え、日常のコミュニケーションの質を変えていくことによって強さを引き出す要因にもなる。
本書における「強い会社」とは何か。売上が多くある、利益を沢山生み出す、部署間のコミュニケーションが親密で意志決定が早い、など挙げてみるだけでも多くある。もっと言うと、どこを「強い」と見るかは会社それぞれとも言える。しかしどう「強く」するか、というのは「会社」という枠組みとして考えるとするならば共通している部分がある。その「共通」している部分が本書に表れているのではないかと考える。
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